暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
欺瞞と陰謀
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見、ギョッとした。
背後にいたキリトが、これまでに見たこともないほどの険しい顔で睨みつけていたのだ。その視線の先は、リーファを通り越して、レン。
硬く引き結ばれていた口元が薄く開き、そこから抑揚のない声が漏れ出た。
「レン……。お前は…、もしかして……………」
虚ろな声が空中に溶けるように消え去った後、キリトは軽く首を振ると、いやいい、と言った。
微妙な空気が流れた場の空気を入れ替えるように、キリトの肩に腰掛けていたユイが大きく咳払いをした。
「と、とにかく、これで
任務
(
ミッション
)
完了ですね!早くルグルーに入りましょう!」
「あ、いや、ちょっと待って。ユイちゃん」
その声に、レンが待ったをかけた。
訝しげな顔をして結いとリーファ、カグラまでもがレンを見る。皆を引き止めた紅衣の少年は、強敵を倒したと言うのに浮かない顔をしていた。
「ちょっとリーファねーちゃんに頼みたいことがあるんだ」
「へっ?あたし?」
戸惑うリーファが視界の中に入っていないがごとく、レンは淡々と言葉を紡いだ。
「サラマンダーに追われるちょっと前に、メッセージが届いてたでしょ?あれを確認してもらいたいんだ」
「…………あ」
リーファは思わず口をあんぐり開けた。すっかり忘れていた。
いや、まぁこんなイレギュラーな事態の真っ只中に放り込まれて、友人からの些細なメッセージをいちいち覚えているほうがおかしいとは思うのだが。
慌ててウインドウを開き、履歴を確認する。
レコンからのメッセージは、しかし改めて読んでもさっぱり意味が読み取れない。回線がトラブって途中で切れたのかとも思ったが、それにしても続きが届く気配もない。
ならばと思い、こちらからメッセージを打とうとすると、フレンドリストのレコンの名前はグレーに消灯している。すでにオフラインになっているようだ。
「何よ、寝ちゃったのかな」
「一応向こうで連絡とってみたら?」
キリトの言葉に、ううむと考え込む。
正直、現実世界にアルヴヘイムのことを持ち込むのは好きではなかった。
ALOのコミュニティサイトにも一切出入りしていないし、レコン────長田慎一ともリアルでゲームの話はほとんどしていない。
しかし、謎のメッセージにはどこか引っ掛かるものがあるのもまた事実だった。
「じゃあ、ちょっとだけ落ちて確認するから、とりあえずルグルーの中に入ろうよ。安全とは言っても、まだここは圏外なんだし」
リーファの言葉にわかった、とレンは頷き、すたすたと歩き出した。
眼前には、巨大な石造りのゲートが遥か地下空洞の天井までそびえ立っている。鉱山都市ルグルーの城門だ。
思いがけない大規模戦闘で時間を取られ
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