暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
欺瞞と陰謀
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ら《空間》が割れるなんて事態になるのだろうか。

うーむ、とリーファが知恵熱を出している間にも、砂色のリメインライトは軽い揺らめきと共に音もなく消滅した。

今頃、あの主はノーム領へ《死に戻り》しているはずだ。

訳もなく漏れた吐息を聞きつけたのか、レンが閃光のごとき勢いで振り向いた。まぁ、これだけの戦闘を繰り広げていたのだから、気が張って警戒するのは無理もないかもしれない。

そう思って、リーファは強張りかけた顔に必死で笑みを貼り付けて、ひらりと手を振った。

すぐにリーファだとわかったようで、見たこともないような張り詰めた表情は、安堵のため息とともに溶け崩れた。

ひらり、と手を振り返してくれる。

そんな動作にも、訳もなく安堵し、肩の力をほっと抜いていたリーファは、レンが手を振るついでにキラリと空中に輝線を光らせて何かを回収しているのに気が付いた。

あまりに細いので、全く気付かなかったのだ。洞窟内に乱反射する光源がそれを浮かび上がらせてやっと気付いた。

駆け寄ってきたレンに、まずリーファは一番の疑問をぶつける。

「ね、ねぇ、レン君。そのほっそいのは何なの?」

「?」

何を言ってんだ?と言う風に可愛らしく首を傾げるレンに、それそれ、と袖口に吸い込まれていった物を人差し指で指す。

ああこれ、とレンは袖口に手を突っ込んで────

「あ、間違えた」

───…………見てない見てないッ!軽く痙攣してるナニカの足なんて見えてないッ!!

喉元まで出かかった悲鳴を必死に押し殺しつつ、リーファはブンブン首を振った。

だいたい、なんて物を袖口の中に入れているのだ。まさか大昔の漫画にあった猫型ロボット(ただし耳無し)のお腹のとこにあるポケットじゃあるまいし。

しばらくの間、袖口の中をぶつぶつ呟きながらかき回していると、なぜか袖口の中からガラガラガッシャンドッシャンなどという凄まじい音が聞こえてくる。

おかしい、絶対におかしい。

見た目は少し広いくらいなだけのただの袖口なのに、聞こえてくるのは明らかに重いものを運んでいる時のソレだ。

軽く、と言うか結構引いていたリーファだったが、はいこれ、と唐突にレンが差し出してきた黒いはんぺんのようなものに釘付けになった。

「な、なにこれ?」

「んーとね、分かりやすく言っちゃえば、これはメジャーなんだよ」

「メジャー?あの距離を測るときの?」

「そ。そのメジャー。ただし極限まで攻撃に特化したものだけどね」

「???メジャーでどうやって攻撃するの?」

リーファが問いかけると、紅衣の少年は漆黒のマフラーで半分以上隠されている口元を謎の微笑に歪めると、ふいっとリーファの背後に視線を向けた。釣られるように
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