蒼風の谷
死神奮迅
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終わらない攻撃な中でカズヤは正気を見いだせずにいた。
もうどれだけの時間が過ぎたのかもわからない。無限の魔力のおかけで障壁は破られてはいないが確実に精神をすり減らしている。
カズヤとセリナの攻撃を風に舞う木の葉のように回避し、カマイタチと魔弾が交互に障壁と干渉して閃光が走り、彼らの視野も怪しくなってきた。
「セリナ、前面に最大防御に張ってくれ!」
「でも、後ろが……。」
「オレを信じろ!」
最大限の声を張り上げセリナを鼓舞しつつ、体内の魔力を練り直し密度を上げていく。
セリナもオレの魔力を感じたのか確かに頷き、攻撃を止め防御に専念しだす。
「無駄なことを、貫け!」
カマイタチに代わって槍状の魔力塊が現れる。
「!伏せろ!」
とっさにセリナを抱いて投げられた槍をよける。しかしこれも連投してきた。仕舞には障壁は穴だらけになり修復も追いつかない。
だが、そろそろサイモンの魔力が尽きてもおかしくないはず。いかに低級の魔弾でも大きくすれば魔力を多く消費する。加えて連発すれば無限の魔力でない限り底をつく。
現にサイモンの表情が少し強張っている。
「いい加減沈めよ!平民風情が!」
「沈むのはおまえだ、サイモン!」
「うるさいうるさいうるさい!ボクを殴ってみろ!この国にいられなくしてやる!」
「だからどうした!」
「そのままだ!追放して、二度とこの国の土を踏めなくしてやるんだよ!」
ついにサイモンの目は血走りだし、息も荒くなってきた。魔力が少なくなった証拠だ。
「んなもん関係ない!相互に助け合うから人間も生きられるんだよ!
Dunkelheit・Magier!Dunkelheit・Welle(闇の波動)!」
圧縮していた魔力を一気に解放して障壁ごとサイモンの魔法を弾く、ついでにサイモンに直接オレの魔法が当たったらしく怯んでいる。全ての魔法を打ち消したところで再度魔力を圧縮し、また解放する。
「ボクは、ボクは……!」
二発目の闇の波動がサイモンを吹き飛ばしエリザがいるであろう部屋の扉にぶち当たった。
さすがに魔力を使いすぎた。無限の魔力があっても体は疲労するからな。
疲れた体にむち打ってサイモンに近づく。もう抵抗するだけの魔力が無いのだろう。完全に腰が引け、脂汗が滴っている。
「エリザを返してもらう。」
「この、このボクになんて口を──。」
「返してもらうぞ。」
「ひぃ!?」
これでは威厳の欠片もないな。本当に王子かよ。
「何度も言わせるな。エリザを返してもらう。」
「わ、わかった!わかったから、剣を──。」
「早くしろ!」
完全に怯えきったサイモンを急かして結界を解かせる。
「さあ開けたぞ早く剣、あびび
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