第四十五話 決戦(その四)
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がこれからは逃がさぬようにする必要が有ります。逃げられてはこれまでの苦労が水の泡になる」
『……なるほど、確かにそうです。時間的にも次に休息を入れるようなことになれば反乱軍はそのまま撤退しかねない。となるとかなり内に攻め込ませる必要が有りますな』
ワーレン提督の言葉に皆が厳しい表情で頷いた。
『大丈夫か、エーリッヒ。卿の所にはヤンが来るだろう、あの男を相手にそんな際どい事が可能か?』
ミュラー提督が心配そうな顔をしている。ミュラー提督だけじゃない、ルッツ提督もワーレン提督も同じだ。頭領が大きく息を吐いた。
「厳しいがやるしかない、誰よりもヤン・ウェンリーを逃がすことは出来ない。この一戦で戦争を終わらせるんだ。そうだろう? ナイトハルト」
『……』
「これまでは前哨戦だ、これからが本当の戦いだよ。向こうは必死の覚悟で攻め寄せてくるだろう、それを利用して相打ち覚悟で引き摺り込む……」
頭領はそう言ってメルカッツ参謀長に視線を向けた。参謀長が無言で頷く。
それを見てルッツ提督、ワーレン提督、ミュラー提督が顔を見合わせた、そして今度は三人が頷いた。
『分かりました、では我らも相打ち覚悟で戦いましょう』
ルッツ提督が頭領に対して敬礼した。他の二人も敬礼している。そして頭領が、参謀長が敬礼した。僕達も皆敬礼した……。これからが本当の戦いなんだ、これからが……。
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