第四十五話 決戦(その四)
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れとほぼ同時にヤン艦隊が陣形を紡錘陣形に変えながら突入してきた。凄い迫力だったな、僕にも分かった、反乱軍は僕達を中央突破しようとしてるって。突破されたら負けだって……。
頭領は縦深陣を取る様にメルカッツ参謀長に指示をだした。間に合うんだろうかと心配だったけど直ぐにそれどころじゃなくなった。ルッツ提督とワーレン提督が危険だったんだ。反乱軍が二人を分断しようとしていた。皆顔面蒼白になっていた。
前面には押し寄せるヤン艦隊、そしてルッツ、ワーレン艦隊の危機。最大の危機だったと思う。頭領は慌ててはいなかったけど凄く不機嫌そうだった。反乱軍の攻撃が不愉快だったのか、それとも僕達が頼りないって不機嫌だったのか……。ゾンバルト副参謀長に指示を出してルッツ、ワーレン艦隊にV字陣形を作らせると前面のヤン艦隊の先頭に攻撃をかけた。そしてメルカッツ参謀長が陣を整える時間を稼いだ。
それにしてもヤン艦隊は凄かった。陣形を崩されたのに直ぐに立て直して攻撃してきた。反乱軍きっての精鋭部隊って言われているけど本当なんだって思ったよ。でも流石のヤン艦隊もその後に仕掛けた頭領の罠には敵わなかった。あっという間にヤン艦隊の先頭部隊が壊滅してしまったんだ。
凄かった、一瞬の逆撃だった。皆が嬉しさのあまり歓声を上げたけどまた頭領に睨まれた。皆シュンとしちゃったよ。それにしてもヤン艦隊は手強かった。先頭部隊が壊滅したのに混乱しなかったんだ、彼らは先頭部隊の残存兵を収容して撤退した。僕らの攻撃を受けながらだ。有り得ないよ。皆呆れてた、頭領もだ。多分その事が今、皆を無口にさせているんだと思う。あ、頭領がこちらを見た。
「補給の状況は?」
「あと一時間程で終了するかと」
クレッフェル少佐が答えると頭領が頷いた。そしてルッツ提督、ワーレン提督、ミュラー提督との間に通信回線を繋ぐ様に命じた。
三人の提督がスクリーンに映った。
「補給の状況はどうですか?」
『こちらはほぼ終了しました』
ルッツ提督が答えると他の二人も頷いた。あ、ウチは少し遅れている、クレッフェル少佐がシェーンフェルト大尉と顔を見合わせてちょっと顔を顰めた。
「大体あと一週間といったところでしょう」
頭領の言葉に三人が頷いた。そう、あと一週間もすれば味方がウルヴァシーに到着するはずだ。帝国軍が勝つ。
「ここからは戦い方を変える必要が有ります」
スクリーンの三人が顔を見合わせた。ううん、三人だけじゃない、皆が顔を見合わせている。戦い方を変える?
『それはどういう意味でしょう、防御では無く攻勢に出るという事でしょうか?』
ルッツ提督が問い掛けると頭領は首を横に振った。違うんだ、じゃあ、やっぱり防御? 皆不思議そうな表情をしている。
「これまでは同盟軍を撃退するだけで良かった。です
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