崑崙の章
第1話 「えろげ?」
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い、いきなり謝られた。
ど、どういうことだってばよ!?
「せ……っひっく……せっがぐ……せっがぐもらっだのに、こぼしっ、くっ、ごぼじぢゃっで、ごめん、ださい……」
……………………
あまりのことに、ぽかんとしてしまった。
普通、この状態で謝ってくる小さい女の子なんているだろうか?
「ひっぐ……ぐじゅっ……ごめん、なざい……」
璃々ちゃんは再度謝る。
あ、いかん。
ぼーっとしていたら、俺が怒っているみたいじゃないか!?
「い、いや、気にしないでいい、よ? 怒ってないから……」
「ぐじゅ……ひっく、ほ、ぼんと?」
「ぼん……ああ。ほんと、ほんと」
俺はそう言って、頭を撫でる。
「ぐじゅ……ひっく……」
璃々ちゃんは、ゆっくりとお母さんの方を見る。
お母さんは厳しい顔をしていたが……ふっと顔を緩ませてしゃがみこむ。
「……よくできましたね、璃々」
その言葉に――
「ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ! おかあざぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
再度号泣して、お母さんの胸に飛び込んだ。
ああ……我慢してたんだなぁ。
璃々ちゃんもすごいが、それを厳しく躾けるお母さんもすごい。
びーびー泣き叫ぶ我が子を胸に抱いて、お母さんがこちらを見てぺこり、と頭を下げた。
いや、もう……なんていうか。
母親ってこういうものなんだな、と不意に胸が熱くなった。
俺にも母親がいれば……こういう人だったのだろうか?
「……麻婆できたんだけどな」
……親父、空気読め。
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