暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
崑崙の章
第1話 「えろげ?」
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
……胸おっきいな、この人。
 もしかして、桃香より大きいかもしれない。

「あ、気にしないでいいですよ、どうせただになりましたし……えっと、君の名前は?」
「璃々ー!」
「それ真名じゃないのかな……?」

 ちらっとお母さんのほうを見る。
 お母さんが苦笑しながら頷いている。
 しかし笑っているってことは、呼んでいいのかな?

「えっと、真名呼んでいいの?」
「うん!」
「そっか……じゃあ、璃々ちゃん。お兄ちゃんの少し分けてあげよう」
「わーい!」

 璃々ちゃんが大喜びである。
 朱里や雛里といい……俺、幼女に好かれるのかな?

「親父……さんは忙しそうだな。じゃあ、お椀持っておいで。こっちの綺麗なほうを分けてあげるから」
「うん!」

 ててて……とお母さんの傍に駆け寄り、小さなお椀を受け取ってまたこちらにくる。

「はい!」
「はいよ……じゃあご飯乗っけて麻婆かけてっと」

 手をつけていないご飯の部分を別皿から取り出して、皿に残っていた麻婆をかける。
 ちっちゃい麻婆丼、完成!

「はい、どうぞ……辛いからね、気をつけて食べるんだよ」
「うん! お兄ちゃん、ありがとう!」

 にぱっと笑顔でお礼を言う璃々ちゃん。
 小さいのに利発な子だな。

 ちらっと顔をあげれば、お母さんが頭を下げている。
 手をひらひらと振って気にするな、と合図する。

「おかーさん! お兄ちゃんにもらったー!」

 あーあーあー……そんなに走ると溢すぞ。
 そう思ったら。

「あっ!」

 がしゃん!

「…………」
「…………」
「「「…………」」」

 俺も、お母さんも、そして微笑ましい様子を見て和んでいた店内の客も。
 その全ての人が無言になる。
 転んだ璃々ちゃんは、割れた茶碗を見て……

「ふ、ふぇ……」

 あ。

「ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

 あーあーあーあー……
 璃々ちゃんが盛大に泣き出してしまった。
 
 俺が椅子から立ち上がるのと、お母さんが立ち上がるのがほぼ同時だった。

「大丈夫か、璃々ちゃん……怪我はない?」

 俺が、璃々ちゃんの傍に屈んで慰めようとすると……

「璃々」

 おや?
 お母さんが厳しい顔で立っている。
 あ、あれ?

「泣くより前に、することがあるでしょう」

 お母さん……なんかわかりませんが、厳しすぎやしませんか?
 お子さん泣いているでしょうに……

「うぐっ、ぐしゅっ、ふぇ……」

 璃々ちゃんは、お母さんに言われると……頑張って泣くのを我慢して、涙を拭いて。

「お兄ちゃん……ひっく……ごべんなさい……」
「へ?」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ