崑崙の章
第1話 「えろげ?」
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、山盛りに白いご飯を載せてくれる。
「ほらよっ!」
「ありがとー! くー、からー! そしてうめー!」
麻婆と白いご飯を交互に食べる。
もう、めっちゃうまい! それしか言えない。
「んぐんぐ……ああもう! これだけうまいならやるっきゃないな!」
俺はご飯の中心を別皿に分けて盆地のようにすると、そこに熱々の麻婆を注ぎ込む。
「お、おいおいおい! 麻婆をそんな……」
「いいからいいから! これがうまいんだって!」
親父さんが慌てて止めにくるが、そこは日本人たるこの俺。
麻婆ときたら麻婆丼でしょう!
「ばくばくばく……うめー!」
「……そんな喰い方したの、兄ちゃんが初めてだな。そんなに美味いのか?」
親父さんが奇妙な顔で見てくる。
周囲の客も皆びっくりしているようだ。
「あれ、やったことないの? こんな美味い麻婆ならやらなきゃ損でしょ!」
「……ちと俺も食べてみるか」
親父さんが小さい小皿に飯を盛って、麻婆を掛ける。
そして一口……
「むお! なんだこれ! めちゃくちゃうめぇ!」
「だろー!?」
俺は、にやっとしながら自慢げにそう言う。
「お、親父さん、俺にも麻婆と飯くれ!」
「こ、こっちもだ!」
「俺にもそれを!」
「待て待て待て! 俺がこれ全部食ってからにしろぃ!」
ははははは。
親父さんが一番気に入ってら。
「おかーさん! あれ食べたいー!」
うん?
声がするほうを見ると、小さい女の子がこちらをもの欲しそうに見ている。
ああ、親子連れか。
「そうねぇ……すいません、こっちにも一つもらえますか?」
「ああ、はいはい……順番に作るから待っててな!」
母親らしき人が頼むと、食べ終えた親父がすぐに厨房へと引っ込んだ。
これから大量に麻婆丼を作るつもりらしい。
「これはうちの新しい看板料理になるぜ……おい、兄ちゃん! 御代はいらねぇ、どんどん食え!」
「うお、ラッキー!」
ははは、一食浮いちゃったよ。
くいくい
うん?
袖が引っ張られている。
見てみると、袖の下にさっきの女の子がいた。
「お兄ちゃん、それおいしい?」
「ああ、めっちゃ……いや、ものすごく美味しいよ」
「うー……いいなぁ」
女の子はジーッと俺の手にあるどんぶりを見ている。
ああ……この子、今すぐ食べたいのね。
見れば厨房では、親父さんが大慌てで作っている。
あの様子じゃ……来るまでまだ時間かかりそうだな。
「ちょっと食べてみるかい?」
「いいのー?」
「こら、璃々!」
あ、お母さんが怒ってる。
かなり美人な紫の髪の人。
だけど
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