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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
崑崙の章
第1話 「えろげ?」
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見ているのね。

「ぷっ……クスクス」

 私はいつの間にか笑っていました。
 自然に出た笑いでしたけど……ちょっとわざと笑いました。
 少しだけ……涙が出るのを誤魔化しながら。

 そして――盾二様は旅立っていきました。
 笑顔のままで。




  ―― 盾二 side 白帝城近郊 ――




 宛を出てから、既に十五日。
 馬に乗りつつ、指南魚という方位磁石を使って旅をして。
 ようやく長江まで辿り着いた。
 長江の畔まで行き、馬に水を飲ませて近くの木に手綱を繋いでおく。

 しかし、この時代に方位磁石があったとは驚きだ。
 てっきり創られた世界だからか? と思ったのだが、聞いてみると百数十年前にこの指南魚というのが作られたとの事。
 そういえば後漢の時代は占いが神聖化されるほどだったというし、占いにおいて方位は重要な役割を持っていたはずだ。

 意外と古くからあったのだな、としきりに納得しつつも、長江の川縁で腰を下ろす。
 さすがは長江。
 川というより、どこかの海の入り江か湖かと思えるほど広い。

 俺はその自然の景色を堪能しつつ、携帯食であるクッキーを取り出す。

 意外に思うだろうが、このクッキー、実はどんぐりからできている。
 どんぐりのクッキーは、日本や中国の縄文時代からあった。
 まあ、出来栄えは現代のクッキーなんかとは比べ物にならないぐらいにまずい。

 何しろ砂糖を入れないのだ。
 食べられる、という程度のものでしかない。

 だが、現代のクッキーで味覚が酷く贅沢になっている俺が、そんなもので満足できるわけがない。
 もちろん知識を総動員して作りましたよ、現代版クッキー!
 まあ、小麦で作るとあんまり日持ちしなくなるわ、しけって美味しくなくなるわで携帯食とはいえなくなるんだがな。

 だからどんぐりのクッキーに砂糖をまぶして、さらに火で炙ってみました。
 固く縛った小袋から一つだけ出して、パクっと一口食べる。
 結構美味しいが……やはり小麦粉で作るものには及ばない。

 しかも砂糖を使うから、気をつけないと蟻やら虫やらがすぐに沸いて来る。
 保存器具なんてもちろん、軽くて丈夫なプラスチックなんてないからどうしようもない。

(そのうちどっかでポーキサイトでも掘るか……いや、それはアルミか。プラスチック……あ、石油か。精製なんてどうやったっけ)

 原油の精製は蒸留装置が必要だ。
 おまけに大量の精製には、場所も設備もいる。

(作ってはみたいが……さすがに時間かかるだろうな。知識もないし)

 蒸留ぐらいはできても、それをプラスチックにするための工程がうろ覚えだ。
 天然樹脂の製法ぐらいは知っているが……合成樹脂は
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