崑崙の章
第1話 「えろげ?」
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正はただ首を振るばかり。
俺が何したってんだ、まったく!
「主よ。これだけは言っておきます」
「お、おう」
お?
答えてくれるの?
「途中で新しい女性をあまり引っ掛けてこないでくだされ。孔明殿と鳳統殿が泣きますゆえ」
「俺はナンパ野郎じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
人を何だと思っているんだ!
―― 孔明 side 宛 大手門 ――
「いいですか、盾二様! 女性にはあまりお優しくし過ぎないように! ただでさえ、盾二様は女性に優しすぎるのですから!」
「えっと、うんと、そうでしゅ。あと、あんまり女性に近づき過ぎないようにしてください。たぶん向こうから擦り寄ってくるでしょうから」
「君らまで何言ってくれやがりますか!?」
私達の言葉に、盾二様が顔を紅くして叫びます。
大手門では、私達二人のほかに、桃香様、愛紗様、鈴々ちゃんの三人が盾二様のお見送りに来ています。
本当は霞さんもいるはずだったんですが……ちょうど洛陽に呼び出された時期と重なっちゃいました。
きっと大急ぎでこっちに向かっていると思うんですけど。
「まったく……俺はどこのエロゲの主人公だよ。そんな補正はないぞ?」
「えろげ?」
よくわからない言葉に、桃香様が首をかしげています。
えろげ……言葉の意味はよくわかりませんが、とにかく淫靡な気がします。
「こっちのことだ。ああ、桃香。たぶん明日辺りになるだろうが、霞が辞令を持ってくるだろう。それを受け取ったら予定通り、漢中へ向かってくれ」
「うん。わかっているよ。あとは、ご主人様からもらった本のとおりにすればいいんだよね?」
「ああ……大まかに書いてあるから、現地の状態を考慮して修正して実施して欲しい。その辺りは朱里や雛里とも相談してくれ」
「はい。任せてください」
そう言って、にっこりと微笑む桃香様。
「基本、君が良いようにやってくれ。朱里も雛里も、君を俺だと思って仕えるように言ってある。わからないことは二人に聞けば解決するはずだ」
「うん。お願いね、二人とも」
桃香様がこちらに微笑みます。
「「お任せください!」」
私と雛里ちゃんは揃って声を上げました。
その様子に、盾二様も微笑んで頷いています。
「サポート……補佐は、愛紗、君に任せたよ」
「お任せください、ご主人様。桃香様をサボらせはしません」
「し、しないよぉ」
愛紗さんの言葉に、ぶうっと顔を膨らませる桃香様。
「にゃははは! お姉ちゃんならやりかねないのだ」
「ひっどーい!」
「ははは……じゃあ、鈴々も頼むぞ。しっかり桃香を守ってやってくれ」
「もちろんなのだ、お師匠様!」
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