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『言霊使いと幻想郷』
第二十三話
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 俺達はアリスと別れて紅魔館に向かった。



――紅魔館――

「くか〜くか〜」

「……よう雪が降る中、寝ていられるな……」

「ま、美鈴だからな」

 そういう問題じゃないと思うぞ霧雨。

「先に行ってくぜ」

 そう言って霧雨が館の中に向かった。

「……仕方ない。ほら起きろ美鈴」

「ん……んが……ふぇ?」

 美鈴の肩を揺さぶると美鈴が漸く眼を開けた。

「……誠さん?」

「そうだが」

「ッ!? こ、これは失礼しましたッ!!」

 美鈴が慌てて俺と向き合う。

「ま、誠さん。今のは咲夜さんには……」

「大丈夫だ、言わんよ。それと美鈴、ヨダレヨダレ」

「へ? ……あ……」

 俺の指摘に気付いた美鈴が顔を赤くしながら口元を拭いた。

「きょ、今日は何の御用ですか?」

「あぁ、ちょっとパチュリーに用があってな」

「……そうですか」

 ん? 何か残念な顔に……。

「そ、それじゃあどうぞ」

「お、おう」

 何か変な雰囲気の中、俺は紅魔館の中に入った。

「さて、図書館はっと……」

 俺は図書館へ向かう。たまに妖精メイドに会うが、何故かじゃんけんで通してくれた。

 たまにあっちむいてほいをしたけどな。

「やっほぅい」

「あ、誠さん」

 扉を開けて中に入ると本を持った小悪魔がいた。

「霧雨がお邪魔してるだろ?」

「はい、あそこでパチュリー様と調べてほしいと相談しています」

 小悪魔の指差す先には机に座って本を読むパチュリーに懇願する霧雨がいた。

「分かった、ありがとうな」

「いえいえ」

 小悪魔にそう礼を言って二人に近付いた。

「ようパチュリー」

「あ、霊夢の兄ちゃんからも言ってやってくれよ」

「………」

 パチュリーはじっと俺を見ている。多分、めんどくさいのがきたと思ってるんだろうな。

「パチュリー」

 俺はパチュリーの両肩に手を添えた。

「……悪いけど、調べてやってくれないか? 俺もそろそろパチュリー達と花見をしたいからさ」

「……はぁ、分かったわ」

 パチュリーが深い溜め息を吐いて漸く了承してくれた。

「私の時は嫌だって言ってたのに……」

「魔理沙、貴女は強引過ぎるのよ。ちゃんとしてくれたら私もやるわ」

 ぶつくさたれる霧雨にパチュリーはまた溜め息を吐いてそう言うのであった。

 そしてパチュリーが調べて二時間が経過した。俺はその間、図書館の本を見たりしていた。

 たまに咲夜さんが来たりしていたりする。

「確信は無いけど、原因は冥界ね」

「何で冥界なんだ?」


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