第九十話
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「やぁッ!!」
「甘いわね」
そう言って曹操がクルリと回転して斬撃を避けて俺の背中を蹴って地面に倒した。
「流石です華琳様ッ!!」
それを見ていた夏候惇が叫ぶ。
「ぺっぺ……」
口の中に砂が入ったために急いで口から出す。
「踏み込みが甘いわ曹徳。これでは貴方が一人前になるのはいつになるかしら?」
曹操が溜め息を吐きながら俺にそう言ってきた。違う違う、貴女が強いんですよ。
分かります?
「大丈夫ですか曹徳様?」
「……大丈夫だ夏候淵」
心配そうに夏候淵がやって来てそう言ってくるが俺は大丈夫と言っておいた。
「さ、曹徳は後は剣の素振りでもしておきなさい。弱いのと練習するより強いのと練習する方が良いわ」
曹操はそう言って俺に鍛練所から出るよう言ってきたので俺は無言で鍛練所を出た。
「また負けたのね」
「やはり曹操様と曹徳様とは違うのか」
「後継ぎは曹操様で決まりのようだわ」
周りの従者や手伝いの者は隠れてコソコソと話している。てか聞こえているぞ。
コソコソするならもっと聞こえないようにしろよ。
「曹徳ッ!! さっさと来なさいッ!!」
母親の曹嵩が叫んでいた。
「は、只今」
俺は曹嵩へ駆け寄るのであった。
「……何か懐かしい思い出を思い出したな」
朝、目が覚めるとそこはいつもの部屋だった。どうやら今のは夢だったみたいだな。
「……こういう時に限って嫌な予感とかがするんだけどなぁ……」
フラグだよな。フラグすぎる。
「ま、今日も頑張っていくか」
俺は窓から差し込む太陽の光を浴びて欠伸しながらそう呟いた。
「た、大変です長門さんッ!!」
「どうしたんだ雪風?」
食堂で朝食を食べていると雪風が慌てて俺に近寄ってきた。
走ってきたのか肩で息をしている。
「み、美羽様が玉座に全員を招集させています」
「え?」
「ですので急いできて下さい」
「いや俺、朝飯の途中だし……」
「問答無用ですッ!!」
「ちょ、おま……」
そう雪風が叫ぶと俺をひょいっとお姫様抱っこをして走り出した。
「……俺が姫なのか?」
茶碗を持ちながらそう呟く俺だった。
――玉座――
「御待たせしましたァッ!!」
『………』
まぁ無言なのは分かるよ皆。何せ逆お姫様抱っこだしな。
「ぁ……」
逆お姫様抱っこに漸く気付いた雪風が顔を赤らめて俺を降ろした。
「アッハハハッ!! 似合うわよ長門ッ!!」
「喧しいぞ雪蓮」
雪蓮が爆笑しなが
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