第1章
旧校舎のディアボロス
第22話 昼休み
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んか、必死だな。
「そうに違いない!」
「あんな奴の事なんか!」
「それでも許せねえが!」
周りの男子も一様に騒ぎ出す。
嘘言ってもあれだし、とりあえず、止め指すか。
「残念だが、ちゃんと異性と好意を寄せてるぜ、あいつ」
『っっっっっ!?!?』
俺の言葉に男子全員が絶望しきった顔をしていた。
「お、お前はどうなんだ。やっぱり、可愛い妹だから反対だろう?って言うか、お前が最後の希望だ!俺達の最後の希望になってくれ!」
よく分からん事をのたまうが、俺は静かに告げる。
「別に。俺はシスコンじゃねえし、千秋がちゃんと自分で決めた相手だからな」
ぶっちゃけ、イッセーなら任せられるって思っている自分がいる。って言うか、兄貴と姉貴はくっ付ける気満々だしな。
『………』
松田と元浜を含め、さっき反応していた男子達が皆固まっていた。
「「裏切り者ぉぉぉ!?」」
松田と元浜が慟哭する。
そう言えば、天野夕麻の時もそんな反応していたな。
っと、千秋の事、思いっきりバラしちまったな。念の為、変な噂が広まらない様にしておくか。
「お前ら、周りに言いふらすんじゃねえぞ」
俺はそう言いながら指の関節を軽く二、三回鳴らす。
その瞬間、周りの男子達が一斉に震えだす。
どうやら、千秋に手を出さなかったのは俺の存在が出すのを躊躇わせた様だな。
「………千秋さん……何故あんな奴の事なんか……!?」
「クソ!兵藤の野郎!?」
「うわぁぁぁ!?千秋ちゃぁぁぁん!?」
喧しいので、もう一回指の関節を鳴らすと男子達が黙る。
「何故だ!?」
「何故、千秋ちゃんにフラグが!?」
フラグねえ。
実を言うと、あいつに好意を寄せているのは千秋だけじゃない。
俺はふと、イッセーに好意を寄せていたある三人の少女達の事を思い出す。内二人は小学の時の幼馴染みでもある。もう一人はちょっと特別だな。なんせ人間じゃないからな。
とまあ、千秋を入れて計四人の女子にイッセーは好意を寄せられていた訳だ。
ま、イッセーは誰の好意にも気付かなかったがな。
まあでも、四人のうち三人は仕方ないだろう。人間じゃない一人は姿を変えていたし、千秋と幼馴染みの一人は素直になれずだからな。しかし、最後の一人は結構積極的だったんだが、今度はイッセーの鈍さと来たもんだ。
とまあ、こんな感じで千秋を除く三人はイッセーに想いを気付いてもらえないまま、この町からどこかへ行ってしまった。
今はどうしているのやら。
そんな風に昔の事を思い出していたら、予鈴が鳴ったので、昼飯をさっさと平らげて、次の授業の準備を行うのであった。
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