第八十六話
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この剣の形は筒抜けだったか」
「西洋の直剣だね。セイバーの名に相応しいほどの名剣だと見えるよ」
「あなたの鎌も中々のものだ」
『サンキュー』
「意思のある宝具なのですね。その大鎌は」
「うん。私の相棒なんだ」
『ロードカートリッジ・ザンバーフォーム』
そう答えたチャンピオンはカートリッジを一発ロードさせ、魔力の充填を行うとその鎌の形を大剣へと変えた。
「ほう。剣の英霊である私に剣で挑むと言うのか貴公は」
「剣の英雄のクラスに選ばれる程の騎士と一度戦ってみたかったからね」
問答はそこで再び終わり、互いに地面を蹴り距離を詰めると再び剣戟の音が響き渡る。
なるほど、彼女はチャンピオン達の中で一番直剣に秀でた存在なのだろう。
槍には槍で、剣には剣で挑めるサーヴァントなんてチャンピオンしか居ないだろう。いや、彼の力を見るにキャスターには魔術で挑んでも勝利できるのでは無いだろうか。
バチバチと放電する音が聞こえる。おそらくこれはチャンピオンの大剣の刀身が電気を帯びているからだろう。
互いの剣戟はいつまでも続くのではないかと思えるほど拮抗している…ように見える。
けど、たぶんチャンピオンは手を抜いている。だって、さっきから単純に武器を振っているだけだもの。
ううん、確かに彼女の太刀筋からは長年の研鑽の上の美しさや強さがある。けれど、チャンピオンが言っていた。彼女達の修めた技術は自分と大差ないと。
と言う事は以前の彼女が使った宝具に宿っている特殊能力のような能力も彼女は身につけているはず。そう、獲物を重くする能力や、物を透過する能力みたいなものを…
あ、もしかしてチャンピオン(アオ)も持っているのかな。そう言った能力を。
とと、そうではなくて、今重要なのは彼女が手を抜いているかもしれないと言う事だ。
これはマスターとして諌めなければならない。
「チャンピオン。何を遊んでいるの?真面目に戦いなさい」
わたしの言葉が呪力を伴ってチャンピオンに強制力を伴った言葉として届く。
「セイバー、斬り合いはここまでになりそう。マスターが真面目にやれってさ」
「そもそもサーヴァントの決着には宝具の開放が最も早い。気にする必要はありません」
「そう。なら、ピッチを上げていくよ」
「望むところです。全ての障害は私の剣で切裂いて見せましょう」
なんて会話を切り合いざまに交わしたあとチャンピオンは大剣を右手で持ち、左手を何かを下手で放り投げる感じで幾つかスローイング。
「むっ?」
突然の事にセイバーはその投げ出した何かを切り伏せる事ができず、その何かを警戒し、停止する。
チャンピオンの手のひらから出たテニスボールくらいの大
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