第八十六話
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イリヤの父親のサーヴァントでもあったのだ。それを考えれば複雑なのだろう。
「ううん。なんでもない…行くよ、チャンピオン」
イリヤは率先して彼らと距離を詰めると手前の三人に声を掛けた。
良い夜ね、と。
続くイリヤの言葉で衛宮士郎、遠坂凛であると言う事が知れる。残ったサーヴァントはセイバーであろう。
セイバーの他にサーヴァントの気配は無い。どうやらアーチャーは居ないようだ。
バッとセイバーが雨具を取り払い衛宮士郎を庇うように前に出た為に俺もイリヤを背にするように前に出る。その瞬間に武装を顕現させ、いつでも敵を阻めるように警戒する。
「それが貴方のサーヴァント?大した英霊じゃ無さそうね」
と遠坂凛がマスターの能力として透視した俺の能力を見て鼻で笑った。
「あなた、いったい何の英霊なのかお聞かせできないかしら?剣を持っているようだけれど、セイバーはここに居るし、アーチャーでもない。三騎士の残りはランサーだけど、ランサーは槍の英霊、剣を持たない訳じゃないだろうけれど、彼も既に居るし」
「ああ、ちょっと待ってくれ…」
遠坂の質問に待ったを掛けて俺は身の内からの声に耳を傾ける。
『セイバーが居るんだよね』
『……今度はフェイトか。…戦いたいって言うんだろ?』
『うん、変わってもらえないかな』
『了解。適当な所で今日も離脱できるように心がけてよ』
『保障は出来ないけど、分かった』
そりゃそうか。と思いつつ体の主導権を交代する。
◇
銀色の甲冑を着たチャンピオンのシルエットが歪む。
「なっ!?」
「なんだっ!?」
「こっこれは!?」
あの人たちが驚くのも無理は無い。
初見はわたしも驚いたもの。
これはこの前のあれだ。
思った通りに一瞬でチャンピオンの姿が女性の姿へと代わる。
鎧は黒に金色の縁取り。腰はフレアスカートのように広がっていて造りはこの間の白と桃色の彼女に似ているが、持っている武器は小型の戦斧だ。
その斧は以前の夢に出てきた彼の杖に似ている。
油断無く彼女はその戦斧を構えて宣言する。
「チャンピオンのサーヴァントです。セイバー、一勝負お願いします」
「受けよう」
「なっ!?イレギュラークラス!?」
「遠坂?」
トオサカの隣に居たシロウが慌てている彼女に聞き返す。
「さっき話したでしょう。今回の聖杯戦争は基本の7クラスでは無いって。目の前のアイツがそうよ。基本クラスではない分、扱いはピーキーだと思うから、基本ステータスが弱いからと言って油断は出来ないわね」
「何を言っているの?トオサカリン。チャンピオンのステータス、ちゃんと見てみなさいよ」
「は?」
『
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