拠点フェイズ 2
劉備・孔明・鳳統・馬正
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ふいに鳳統殿が口を開く。
孔明殿は、ただ黙ってコクン、と頷いた。
「……もうすぐ盾二様、いっちゃうんだね」
「…………」
孔明殿は何も答えない。
「……寂しいよ」
鳳統殿が、呟く。
孔明殿は何も言わない。
「…………ぐしゅ」
鳳統殿が俯く。
……泣いているのだろうか?
「だめだよ、泣いちゃ」
孔明殿は視線を下げない。
空を見続けている。
「私達は……約束したはずだよ。笑って見送るって」
……孔明殿。
後ろ姿で見えないが……もしかして、彼女も泣いているのだろうか。
彼女の頬に、きらっと光が流れる。
「うん……ぐじゅっ、そうだ、ね……」
ぐしぐし、と腕で自身の目を擦る鳳統殿。
そして再び、空を見上げた。
私は……静かにその場を後にする。
二人の邪魔を……してはいけない。
(……主よ。貴方が行かれるというならば、我ら臣は……貴方のお帰りを、いつまでも待ちましょう)
私は空に浮かぶ月を見ながら、心の中で呟く。
(ですから……必ず帰ってきてくだされ)
月は何も言わず……ただ、そこに輝いていた。
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