拠点フェイズ 2
劉備・孔明・鳳統・馬正
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簡を広げる。
陳情は、宛の復旧のことだった。
まだ北区の補修が完全に済んでいない事への不満らしい。
「霞さん……洛陽からの資材って、あとどれぐらいありました?」
「んー? 詳しいことは朱里に聞かんとわからへんけど……うちが戻ってきたときに追加の資材を持ってきたから、そこそこはあると思うで?」
「じゃあ、家屋の復旧用にそれを使ってもいいですか?」
私が言うと、霞さんが顔をあげる。
「あー……一応あれ、館と兵舎用の資材やねんけど」
「でも、まだ北区の家屋の修理が終わってませんよ?」
「あー……それ言われると、きっついなあ。確かに前の戦いから二月以上経つのに、未だに北の復旧が進んでないんやったな」
「北の……特に門付近は混戦で火矢も使われましたし」
「そやなぁ……しゃあないな。ええやろ、資材 使うてんか」
「はい。詳しいことは朱里ちゃんと……あ」
そういえば朱里ちゃんは最近、忙しいんだっけ。
「うん?」
「あ、いえ。私が現場に出ますね」
「は? 朱里に任せたらええやん」
「うん……でも、朱里ちゃんにばかり甘えられないから」
「……けど、大丈夫かいな」
霞さんが不安げにこちらを見やる。
あはは……まあ、自信はないけど。
「うーん……たぶん。私は無理でも、町の長老さんとか木匠さん(=大工)に相談してみるから大丈夫、かな。資金は復興の予算を使っていいんですよね?」
「ああ……確かまだ余裕あったはずや。義勇軍の金回りの良さが幸いしたわ。賃金はそっから出しといてぇな」
「わかりました……と、この案件の責任者は劉備っと」
うん。
早くみんなの家を建ててあげないとね。
「…………」
?
なんだろ。
さっきから霞さんが、じーっと私を見ている気がする。
「えっと……なに?」
「桃香……あんさん、やっぱ変わったなぁ」
「……そお、かな?」
うーん……
最近みんなにそう言われるんだけど。
私的にはそんなに変わった気がしないんだけどなぁ。
「前は……とにかく他人任せで天然で、いっつも空回りしとった印象やったけど」
「あう」
うう……
私、そんな風に見られてたんだ。
でも……そうかもしれない。
私……いつも誰かに頼っていた気がする。
戦いは愛紗ちゃんと鈴々ちゃんに。
政務や軍のまとめ役は、盾二……ご主人様と朱里ちゃん、雛里ちゃんに。
結局私は……なにもしていなかった。
「けど今は落ち着いたっていうか……なんや貫禄まで出てきた気がするで」
「貫禄って……私そんな歳じゃないよぅ」
ぶう、と膨れてみる。
「ああ、すまへんな。いや、貫禄ちゃう
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