暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
拠点フェイズ 2
劉備・孔明・鳳統・馬正
[6/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
簡を広げる。
 陳情は、宛の復旧のことだった。
 まだ北区の補修が完全に済んでいない事への不満らしい。

「霞さん……洛陽からの資材って、あとどれぐらいありました?」
「んー? 詳しいことは朱里に聞かんとわからへんけど……うちが戻ってきたときに追加の資材を持ってきたから、そこそこはあると思うで?」
「じゃあ、家屋の復旧用にそれを使ってもいいですか?」

 私が言うと、霞さんが顔をあげる。

「あー……一応あれ、館と兵舎用の資材やねんけど」
「でも、まだ北区の家屋の修理が終わってませんよ?」
「あー……それ言われると、きっついなあ。確かに前の戦いから二月(ふたつき)以上経つのに、未だに北の復旧が進んでないんやったな」
「北の……特に門付近は混戦で火矢も使われましたし」
「そやなぁ……しゃあないな。ええやろ、資材 使(つこ)うてんか」
「はい。詳しいことは朱里ちゃんと……あ」

 そういえば朱里ちゃんは最近、忙しいんだっけ。

「うん?」
「あ、いえ。私が現場に出ますね」
「は? 朱里に任せたらええやん」
「うん……でも、朱里ちゃんにばかり甘えられないから」
「……けど、大丈夫かいな」

 霞さんが不安げにこちらを見やる。
 あはは……まあ、自信はないけど。

「うーん……たぶん。私は無理でも、町の長老さんとか木匠(ぼくしょう)さん(=大工(だいく))に相談してみるから大丈夫、かな。資金は復興の予算を使っていいんですよね?」
「ああ……確かまだ余裕あったはずや。義勇軍の金回りの良さが幸いしたわ。賃金はそっから出しといてぇな」
「わかりました……と、この案件の責任者は劉備っと」

 うん。
 早くみんなの家を建ててあげないとね。

「…………」

 ?
 なんだろ。
 さっきから霞さんが、じーっと私を見ている気がする。

「えっと……なに?」
「桃香……あんさん、やっぱ変わったなぁ」
「……そお、かな?」

 うーん……
 最近みんなにそう言われるんだけど。
 私的にはそんなに変わった気がしないんだけどなぁ。

「前は……とにかく他人任せで天然で、いっつも空回りしとった印象やったけど」
「あう」

 うう……
 私、そんな風に見られてたんだ。
 でも……そうかもしれない。

 私……いつも誰かに頼っていた気がする。
 戦いは愛紗ちゃんと鈴々ちゃんに。
 政務や軍のまとめ役は、盾二……ご主人様と朱里ちゃん、雛里ちゃんに。

 結局私は……なにもしていなかった。

「けど今は落ち着いたっていうか……なんや貫禄まで出てきた気がするで」
「貫禄って……私そんな歳じゃないよぅ」

 ぶう、と膨れてみる。

「ああ、すまへんな。いや、貫禄ちゃう
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ