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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
拠点フェイズ 2
劉備・孔明・鳳統・馬正
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 目にクマができておりますが……まあそれは主にお任せしておきますか。

「はっはっは。ささ、それよりも盾二殿がお待ちではないのですかな?」
「あ、そうでした……失礼します」

 私に頭を下げつつ、扉を開けて中へと入る孔明殿。
 部屋の中では、盾二殿がいつものように竹簡と書を相手に格闘しておられる。
 その様子を横目で見つつ、扉を閉める。

 さて……盾二殿が旅立たれるまであまり間もない。
 今は休んでもいられませんな。




  ―― 孔明 side ――




「失礼します……漢中周辺についての新しい情報です」
「ありがと。悪いけどそこに置いといてくれ」

 ご主じ……こほん。
 盾二様は視線を上げずにそう言いました。
 どうやらご執筆に専念されているようです。

(……今は邪魔しないほうがよさそうです)

 私は山のように溢れている竹簡に混ざらないように、竹簡を横に置きました。
 山のようになっている竹簡の束。
 少しでも手間がないように整理したつもりでしたが……ここにあるだけで、その数はすでに百を超えています。

「盾二様、必要のないものは倉庫に移しますが……」
「ああ、すまない。寝台の傍に置いてある分が必要ない分だ」

 そう言って筆を持つ手がそれを指しますが……
 そこにあったのは、寝台が見えなくなるほどの大量の竹簡です。

「…………」
「……あ」

 唐突に気付いたように顔をあげる盾二様。
 どこか慌てている様子です。

「すまん。片付けは誰か呼ぶからいいよ。朱里に力仕事させるつもりで言ったんじゃないんだ」
「い、いえ。私がやりますよ。これぐらい……」
「いやいやいや。そういう力仕事は人を呼ぼう。それで朱里が疲れてしまったら……」

 そこまで言って押し黙る盾二様。
 疲れてしまったら……?

「?」
「いや、すまない。えーと……馬正! いるか!?」
『ハッ!』

 盾二様の声に、扉を開けて入ってくる馬正さん。

「すまないが力仕事を頼める人間を何人か呼んで来てくれ。倉庫へ竹簡の荷運びと整理だ」
「心得ました」

 そう言って、すぐに外へ出て行きました。

 ……むう。
 確かに力仕事は向いていませんけど、それぐらい私だって出来ますよぅ。

「ふう……いかんな。どうにも頭を使い過ぎていると、全てを効率で考えようとしてしまう」

 盾二様が自嘲気味に呟いています。
 何のことでしょう?

「……お疲れなら、少しお休みください。体を壊します」
「ああ……そうだな」

 そう言って首をゴキゴキと鳴らしています。
 ……ずいぶんと肩が凝っておられる様子です。

「お急ぎなのは理解していますが…
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