第5話 地図やガイドブックを持ってても迷う時は迷う
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あげる感覚でお小遣いをあげていた。
無論、それはなのはのお金なので彼女が欲しい物を買う為に使っていた。
一見するとかなり出来る娘みたいに見られるのだが、実はなのはには欠点もある。
それは、まだ彼女が子供だと言う事だ。幾ら大人びた事をしても沢山の仕事をしたとしても、中身はまだ遊びたい盛りの子供だ。
その為、一旦遊び始めると他の事に目が行かなくなったりしたり、欲しい物があったり珍しい物や興味を引かれた物にはとことん食いつくと言うある意味での子供っぽさがそのなのはにはあった。
普段は金銭感覚などでしっかりしているのだが、一度興味を引かれるとそれを意地でも手に入れようとしたりする為そうなると金銭感覚が一瞬にして崩壊してしまう事も良くあった。
まぁ、それはまだなのはが年端も行かない子供だと言うが故の事であろう。
また、なのはは普段は見せないが、実は寂しがりやなのだ。
それはなのはがまだ万事屋に来て間も無い頃、銀時がなのはを置いてパチンコに出掛けようとした時、なのはは物凄い音量で泣き喚いたのだ。
当然その直後下の階から駆け上がってきたお登勢により銀時はボコボコにされたのは当然の事ではある。
それから分かる通り、なのはは本能的に父親でもある銀時と離れたくなかったのだ。
彼女は幼いながらも知っていたのだ。孤独の怖さ、辛さを。
そして、今なのはは孤独であった。
「皆何処に行ったんだろう……」
仕方なく見た事もない場所をなのはは歩いた。行けども行けどもそれは同じ風景ばかりだった。そして、空を見上げると既に日は西に傾き青い色だった空は茜色に染まっており、間も無く夜に差し掛かろうとしている頃だった。
場所が場所だけにより一層辺りが暗く感じられる。そんな世界がなのはにより一層孤独感を与えていた。
暫く歩いた後、なのははその場に蹲り両手で肩を抑え出した。
「此処何処? お父さん、神楽ちゃん、新八君、定春……皆に会いたいよぉ」
その場に蹲り、涙目になりながらなのはは呟いた。家族に、皆に会いたい。この孤独感から解放されたい。その思いがなのはを強く追い詰めていた。
徐々に日が傾き出して行く。もう間も無く日も暮れ、真っ暗な夜が訪れる。
そんな時だった。なのはが丁度蹲っていた場所のすぐ近くの茂み、其処が突然震えだした。
草木の揺れる音と何かしらの気配を感じ取り、なのはは音のする方を向く。
もしかしたら銀時達が駆けつけて来てくれたのだろうか?
期待を胸にその茂みから出て来る何かを待った。
だが、出てきたのはなのはの予想を裏切る結果となった。茂みから現れたのは巨大な怪物であった。大きさ的には万事屋に居る定春と大差ない大きさだ。だが、問題なのはその姿だ。
全身を黒い体毛で覆われており、顔は狂
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