第5話 地図やガイドブックを持ってても迷う時は迷う
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。そう思っていたからだ。だが、実際には銀時は思っていたよりも優しく新八を慰めてくれた。その言葉が何よりも嬉しかった。
今の彼にとってはそれが何よりの心の支えとなっていたのだ。
「意外でしたよ。銀さんの事ですから頬に一発張り手をかますのかと思ってましたし」
「え? 良いの! そんじゃ遠慮なく――」
その後、新八は銀時に思い切り殴られた瞬間こう悟った。
「口は災いの元」だと――
***
目を覚ますと、其処は一面緑で覆われた場所であった。
周囲を背の低い木で囲まれ、床は柔らかい草で一杯であった。
草から香る葉の匂いが何処か心地よさを感じさせる。その匂いを鼻で感じ、なのはは目を覚ました。
「あれ? 此処は――」
一体どれ位眠っていたのだろうか。目を覚ますと体中に異様な気だるさが感じられた。まるで数日間ずっと眠り続けていたかの様な。そんな気だるさを感じていたのだ。
「何だか変な気分だなぁ。ずっと眠ってたみたいな気がする。普段はこんな事ないのに――」
まだ気だるさは残るが何時までも此処でこうしている訳にもいかない。とりあえず起きて辺りを見回す事にした。
体を起こしてみると若干体がふらつきだした。どうやら相等眠りこけていたのだろう。こんな感覚は初めてだった。
「やっぱり、ちょっと無理し過ぎたかなぁ? 万事屋の仕事って大した事ないと思ってたんだけど」
なのはが万事屋の仕事を手伝い始めたのは彼女がまだ7歳の頃だ。その頃の銀時は万事屋とは言っておきながらも仕事の選り好みをしていた為に今一稼ぎが悪かった。
流石にこれでは家賃を払う事など出来そうにない。そう思ったなのはは銀時に変わり仕事の応対をする様になったのである。
流石にまだ幼いなのはに仕事の手伝いをさせる訳にはいかず、結局なのはが引き受けた仕事を銀時がこなすと言う今の図式が出来上がったのである。
それからなのはの仕事の幅は広がりだし、何時しか仕事の応対から金銭管理、客の対応から炊事家事に至るまでを一手に引き受けるようになったのである。
そのお陰か幾分かは稼ぎも良くなり、最近では毎月ちゃんと家賃を払えるようになってきた。
と、言うのもなのはが万事屋に住む事になってからお登勢の要求する家賃の額がおよそ半分に減ったのである。流石に子供の居る状態で高額な家賃を取り立てる訳にもいかないし、お登勢としてもなのはは側に居て欲しい。そう言う心の表れでもあった。
その心を感じ取ったのか、それ以降なのははお登勢の経営するスナックのお手伝いもする様になった。なのはからして見ればお登勢は優しいお婆ちゃんみたいなものだ。
お登勢もまたなのはの事を孫娘の様に思っており、スナックの手伝いをする度に子供に
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