第4話 疲れた時は無理せず休め
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斬りや追い剥ぎから将軍や家老を守るのがそもそもの目的であったのだ。
だが、前にも言った通り完成寸前で源外が騒ぎを起こしたので結果としてそれが幕府に届く事はなくなってしまったのである。
そして、次に注意したのは今居る世界とこれから行く世界の時差の問題である。
日本とアメリカでは時差があり、日本が昼だとしてもアメリカでは夜と言う感じの時差が発生している。
それでも、たった1日くらいの時差で済んでいる。しかし、それがもし異世界で起こっている事だったとしたら楽観視は出来ない。
下手すると1年や10年、最悪の場合100年位の時差があるかも知れないのだ。
詳細は分からないが下手すると一生江戸に返れない危険性も孕んではいる事になる。
「どうする、降りるんなら今の内だぞてめぇら」
念の為に源外は尋ねた。住み慣れた故郷との永遠の別れになるかも知れないのだ。悔いの残らないようにしてやろうと言う源外なりの優しさでもあった。
「舐めんなよ爺。俺達ぁ万事屋だ! 異世界に行くのが怖くて他人様の依頼がこなせるかってんだ!」
だが、その心配を拭い去るかの様に銀時がおおっぴらに啖呵を切った。それを皮切りに新八や神楽も頷く。
「僕も同じです。銀さんの下で働くと決めた時からこんな日が来るって事は覚悟してました。それに、なのはちゃんは僕達にとっても大事な家族です。見捨てるなんて出来ません」
「私も同じアル! もし帰れなかったらその世界で女王にのし上がるまでアルよ!」
皆覚悟は決まったようだ。ふと、横目でユーノを見ると、彼は何故か号泣していた。
不祥事を起こしてしまった自分の為に皆が命を張ってくれるという事実に嬉しくなって泣いてしまったのだろう。
そんなユーノを見て銀時はふっと笑みを浮かべた。
「勘違いすんなよユーノ。何もお前の為にこうして命を張ってるんじゃねぇ。家の屋台骨の為にこうしてやってんだ。だからこの件が済んだらたんまり謝礼を払って貰うから覚悟しておけよ」
「は、はい……あの、ローンで構いませんよね?」
どうやら今手持ちはあんまりないようだ。まぁ、余り期待はしないで待つ事にしよう。そう思う銀時であった。
「銀の字。お前等の目の前に赤いボタンがあるだろう。それを押すとだなぁ―――」
「おぉっと、騙されねぇぞ! 毎度毎度同じような手を使いやがって! どうせあれだろ? このボタンを押すと【装置が暴走しちまって制御不能になっちまうから今は押すな】って言う類だろうが! 今度は騙されねぇぞぉゴラァ!」
誰も下手に押さないように必死に両手で新八や神楽を抑える銀時。一体ボタンに何があったかは不明だが、とにかく引っ掛からないようにしようと努めているようだ。
「いや、そのボタンを押すと装置が起動する
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