フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第五十九話 水の中の闘い
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いのかもしれない。
「(んじゃ、上に行きますか・・・と、その前に)」
海面に向かって水を蹴ろうとした時、何かを思いつくとメニューウインドウを開き、操作していく。
「(たまには趣向を変えてみるのも一興だな)」
そう心の中で呟きながらウインドウを操作して≪ザ・ネームレス≫を収納すると、今度は左手に鮮やかな紅色で造られたガラスの飾り紐が巻きつけられた。それだけではなく、ステータスウインドウを操作して、セットされているスキルと魔法も変更した。
「(さて、おれもそろそろ上で戦うかね)」
準備が整え終わると今更になって、本当に今更になってそんなことを言い出すソレイユは今度こそ海面に向かって水を蹴りながら浮上していく。
◆
「もういいよ、キリト君!またスイルベーンから何時間か飛べば済むことじゃない!奪われたアイテムだってまた買えばいいよ、もう諦めようよ・・・・・・!」
絶体絶命の中に叫んだリーファ。アルヴヘイム・オンラインはデスゲームではない。ならば、絶体絶命の状況で無駄になるであろう努力はせず諦めるのも一つの選択である。しかし、キリトは頭を横に振った。
「嫌だ。俺が生きてる間は、パーティーメンバーは殺させやしない。それだけは絶対嫌だ」
デスゲームを生き延びた者と普通のVRMMORPGをプレイする者の価値観の差。それがここに来て顕著になった。何としても生き延びようとする意志と諦める気持ち。≪本気≫か≪遊び≫か。その気持ちの差がはっきりと顕わになった。
「うおああああ!!」
キリトが気合を入れるように吼え、シールドを構えたプレイヤーに向かって無謀な突進を敢行しようとしたところで―――
ザバァン
と、突如水の弾ける音が辺り一帯に響いた。突然の音に戸惑うキリトたちとサラマンダーたち。そして、次の瞬間橋の下に広がる湖から橋の上へと這い上がってくる影があった。
翅を使って這い上がってきたその影は橋の上に降り立つと、キリトたちを見た後サラマンダーたちを見て再びキリトたちの方に向きなおってから口を開いた。
「さて、今はどういう状況なんだ?」
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