第八章 望郷の小夜曲
第七話 捜索隊
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」
「? 分からないって何がよ」
顔と共にお椀を上げ、中身を全て口の中に掻き込んだ格好で、ジロリとキュルケがルイズを睨み付け。ルイズは木のスプーンを口に咥えたまま訝しげな顔を浮かべた。
「ま、分からないなら良いわよ。あたしも確信があるわけじゃないし」
「はぁ、何よもう。意味分からないわね」
ルイズの視線から顔を逸らしながら、キュルケは空になったお椀をシセスタに向けた。顔を逸らすキュルケに強い視線を向けていたルイズだったが、キュルケが何も答える気がないと知ると、小さく溜め息を漏らしながら手に持った空のお椀を同じくシエスタに向けた。
「別に気にしなくていいわよ。ま、あの人がすぐ帰ってくるって言ったんなら、もう直ぐ帰ってくるでしょ。それより前から聞きたかったんだけど」
お替りを受け取ったキュルケが、もぐもぐと口を動かしながらじろりと同じくシチューを食べているルイズとシエスタを見回すと、
「あんたたちシロウと実際何回ヤッタの?」
「「っぐほっ?!」」
ポツリと世間話をするかのようにとんでもないことを口にした。
キュルケの発言に、口の中身を盛大に吹き出したルイズとシエスタは、地面に手をつき激しくむせ始めた。
「っご、っふ、く、な、何聞いてんのよあんたはっ!?」
「なな、な、何回やったって、ナニを何回ナニしたって言うんですかっ!?」
顔を真っ赤にしたルイズとシエスタに詰め寄られたキュルケは、目を丸くしながらも面白げに口元を緩め。詰め寄ってくる二人をにやにやとした笑みで迎えると、キュルケはスプーンを二人の前でふりふりと振り始めた。
「何ってナニに決まってるでしょ。何カマトトぶってるのよ。で、実際のとこどうなの? もう結構やったんじゃないの? 十回? 二十回? まさか百回何てことないわよね」
はっはっはっと笑うキュルケに、顔を更に赤く染め上げた二人が頭を抱えた。
「だから何言ってんのよあんたッ!!?」
「そ、そそそそんなにするわけないじゃないですか! ……回数ってどうやって数えるんですか?」
「そんなの知るわけないでしょ!」
並んで頭を抱え蹲っていたシエスタが、横目で同じように踞るルイズをチラリと見て尋ねると、ガバっと立ち上がったルイズが怒鳴り声を上げた。
「落ち着きなさいよルイズ。そんな大声を上げたら周りの人の迷惑になるでしょ」
「怒鳴らせたのはあんたっ! ……でしょ。はぁ。もういいわよ」
落ち着かせようと「まあまあ」と両手を上下させるキュルケの姿に、ぐるりと周りを見渡したルイズが、周囲から迷惑そうな視線を向けられていることに気づくと、力が抜けたように地面に膝を着いた。
「で、何で突然そんなことを聞いてきたのよ?」
「何って……別に特に
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