第八章 望郷の小夜曲
第七話 捜索隊
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理由はないわよ。あえて言うなら、さっきも言ったけど前から気になってたのよ。ガチガチの貞操観念を持ってるあんたが、割とあっさりとやったじゃない。例え最初は媚薬が切っ掛けだって言ってもね……あんたその後も結構ヤってたでしょ……例えば……学院の中で、とか」
「ッ!!? な、何で知っ―――な、何言ってんのよ?」
キュルケが最後にポツリと呟いた言葉に敏感に反応したルイズだったが、してやったりというニヤリとした笑みを浮かべるキュルケに気付くと、ヒクついた真っ赤な顔を背けた。が―――。
「な、何で知ってるんですかッ!?」
同じく敏感に反応したシエスタがルイズの隣で驚愕の声を上げてしまった。
「……シエスタ」
「あ、え、う〜、すみません」
ジト目で睨みつけてくるルイズに、自分の失態に気付いたシエスタが小さくなる。ニヤついた笑みを更に深くしたキュルケが腕を組むと、二人に顔をぐっと近づけ首を傾げた。
「ま、普通は気付かないけど、あたしはそう言うのに鼻が効くからね。で、学院でヤルぐらいなんだし、どうなのよ?」
「……はぁ……―――回よ」
「え?」
絶対に逃がさないわよと言うキュルケの視線に、諦めたように息をついたルイズが小さくぼそりと呟いた。ルイズが答えたことにキュルケは一瞬きょとんとした顔を見せると、直ぐにルイズの口元に耳を近づけた。
「何回よ。な、ん、か、い?」
「ぅ回よ」
「だから、何―――」
「三十七回よっ!」
「えっ嘘っ!」
「……何であんたが驚いてんのよ」
驚愕の声を上げたのは、興味津々に耳を寄せていたキュルケではなく。ルイズの隣で顔を真っ赤に縮こまっていたシエスタであった。目と口を大きく開けたシエスタは、疑問の眼差しを向けて来るキュルケに構うことなくルイズに詰め寄りだす。
「三十七回って何ですか!? 聞いてないですよそんなのっ! わたしはまだ二十四回しかしてないんですよっ!」
「し、シエスタ?」
シエスタが目を白黒させるルイズの襟を掴み、ガクガクと揺さぶり始める。
「三十七回って……わたしより十三回も多いって一体どういうことですかっ! 一体何時、何処で、どうして、どんなプレイをっ!?」
「……プレイは関係あるの?」
シエスタとルイズの修羅場を冷静な目で見ていたキュルケが、冷や汗を流しながら小さくツッコムが勢いづいたシエスタは止まらない。
「ちょ、落ち、落ち着い、しえ、しえす」
ガクガクと揺さぶられながらもルイズが何とか落ち着かせようとするが、シエスタの興奮は収まらない。加速度的にルイズの顔色は悪くなっていく。流石にこれ以上はとキュルケがシエスタの腕を掴もうとしたが、
「ミス・ツェルプストーは黙っててください」
「……うっ、ごめ―
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