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ヘタリア大帝国
TURN75 ベルリン講和会議その七

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 港から彼等は次々とベルリン入りする、ヒムラーはその報告を官邸の総統の部屋で聞き満足している顔でこう言った。
「よし、じゃあ今からね」
「はい、今からですね」
「そう、彼等と会談をしよう」 
 こうレーティアの頃からいる官僚に答える。
「そして我々の地位を維持しよう」
「あの、お言葉ですが」
 この官僚はここでヒムラーにこう言ってきた。
「エイリスとソビエトですが」
「うん、彼等のこの国への要求だね」
「それはかなりのものになるのでは」
「大丈夫だよ。こちらには戦力があるからね」
「艦隊と大怪獣ですか」
「いざとなれば彼等を一掃も出来るさ」
 ヒムラーは不敵な笑みを浮かべて官僚に話した。
「一気にね」
「だからですか」
「そう、彼等の要求はある程度は受け入れるにしても」
 それでもだというのだ。
「この国の領土は小石一つも渡さないさ」
「賠償金は」
「支払わないよ」
 それもないというのだ。
「むしろこれからは連合国の一員としてやっていくから」
「そう上手にいけるでしょうか」
「間違いなくね」 
 そうなるというのだ。こう言いながらだった。
 ヒムラーは白い手袋に包んでいる己の左手の甲を摩っていた、そのうえでの言葉だった。
「例え向こうが何を言ってもね」
「ではここは」
「俺に任せてくれるかい?」
 レーティアとは違い軽い笑みでの言葉だった。
「ここは」
「わかりました、それでは」
 官僚も頷いた、そしてだった。
 ヒムラーは会談の場に向かった、彼が最初に入り続いてセーラ達、そしてカテーリン達が入った。それから大柄なイタリンの軍服を着た豚頭の男も来た。
 ヒムラーはその彼を見て側近達に囁いた。
「彼がだね」
「はい、イタリンの今の総統です」
「ぴえとろ総統です」
「前総統にして今総統に返り咲かれました」
「そうだったね。まあね」 
 ヒムラーはぴえとろについはこう言う。
「彼はどうでもいいね」
「どうでも、ですか」
「構いませんか」
「うん、どうでもいいよ」
 素っ気無い口調だった。
「彼はね」
「イタリン自体がですね」
「どうでもいいですね」
「うん、イタリンは愛嬌はあるけれどね」
 ヒムラーは何と彼がはじめて他人に見せる笑みを浮かべていた、暖かい笑みをだ。
「戦力としてはねえ」
「頼りになりませんね」
「しかも全く」
「だからどうでもいいよ」
 ヒムラーもこう見ているのだった。
「あの国はね。それよりもね」
「やはりエイリスとソビエトですね」
「その両国ですね」
「わざわざ両国の国家元首をこのベルリンに呼んだんだ」
 それでだというのだ。
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