第十九話 初春、頑張る……いや、頑張った
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たっ」
「ういはるん頑張ってたもんねー」
「わざわざクラス委員まで立候補したしねー」
初春さんからの報告で皆がねぎらっているのだが、耳に入った言葉で一つ気になることがあった。
「ん? クラス委員に立候補したのが何か関係あるの?」
「あっ、えーと……そのぉ」
「クラス委員とかやってるとジャッジメントに採用されやすくなるんだって」
俺の疑問に初春さんは答えにくそうだったのだが、それを佐天さんが答えてくれた。
「あー、なるほどー。そういうことだったのね」
確かに最初、初春さんがクラス委員に立候補した時、初春さんってこんな感じだっけと疑問に思ったのは覚えている。つまり、クラス委員の立候補もジャッジメントになるためだったわけだ。
「はい。あ、でも、クラス委員の仕事もちゃんとしますよ」
今の話を聞かされただけだと、ジャッジメントになるためにクラス委員を利用しているとも取られかねない。それは初春さんも分かっているようで、慌てて付け足してきた。
「うん、そこは心配してない。初春さんはジャッジメントの肩書きが欲しかったわけじゃなくて、ジャッジメントの仕事がしたいってのが分かるからね。そんな初春さんが、ジャッジメントになれたからといってクラス委員の仕事をサボるようになるとは思わないよ」
「あ……ありがとうございます」
「でも、あんまり無理しないようにね」
「はいっ!」
なんて初春さんと話している間に、誰が入れたのかカラオケの曲が流れ始めた。
それから3時間、俺も含めて6人で歌いまくった。一応俺もこの世界での楽曲をいくつか覚えて……というか、明らかに元の世界での曲の替え歌なのだが、歌うことができるようになっていたので、この3時間の間に7曲ほど披露してみたら概ね好評だったようだ。
「いやー、久々に歌ったねー」
「そうだよ、涙子ってあんまりこういうところ来ないし、最近私たちと居るより初春と居ることのほうが多かったじゃない」
「だねー。このままういはるんと付き合っちゃうんじゃないかってくらいべったりだったもんねぇ」
部屋から出て会計に向かう。佐天さんは分かるとして、初春さん以外は全員レベル0だったはずなので、そんなにカラオケに来れるとも思えないのだが、アケミさんとむーちゃんとマコちんは結構来ているようである。
「わ……わ、私はノーマルですっ! 佐天さんと付き合ったりなんてしてませんっ!!」
「でも、初春がジャッジメントで忙しくなるとあたしは暇になるかなぁ」
「暇になるって事はないんじゃないかな。宿題とかも増えてくるだろうし」
「うわー、そんなので暇じゃなくなるのは嫌だなー」
初春さんがむーちゃんの言ったことに反応して
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