第十九話 初春、頑張る……いや、頑張った
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、カラオケ来てくれませんか?』
俺がつぶやいたところで、佐天さんが本題に戻してきた。これでハーレム云々は有耶無耶にできたのだろう。
「んー、じゃー行くよ」
『ありがとうございます。ではっ!』
「それで、……あ」
取り敢えず行く旨を伝えたあと、どこで何時に待ち合わせるのかを聞こうとしたら既に切れていた。そして、すぐにメールが届いたので見てみると、カラオケ店だと思われる地図と一緒に『待ってま〜す』と一言だけ書いてあったのである。
「今かよっ!」
佐天さんに聞こえてるわけもないのに、思わずケータイにツッコミを入れてしまう。しかし、行くと言った手前、余り待たせてはいけないと思ってすぐに準備を始めたのだった。
「は〜い、お待たせ〜」
地図に書かれた場所まで来ると、佐天さん達を見つけたので声をかけた。
「あー、やっぱり姫羅かぁ〜」
俺の姿を確認したとたん、佐天さん達5人がため息をつく。というわけで、今の俺の姿は姫羅である。
「そりゃそうでしょ。この中に男子一人で居るのは精神的にきついんだから」
「えー? でもハーレムだよ〜?」
佐天さんはまだこのネタを引っ張りたいようだ。しかし、俺としてはあまり引っ張りたくないので少しクールな感じにして言い放ってみる。
「それは貴方達5人からの、5股で付き合ってくださいって言う告白と捉えても良いのかしら?」
「え゛……」
俺の一言で5人が一斉に固まる。佐天さん以外の4人は佐天さんに冷たい視線を向けているようなので、ついでに俺の冷却能力で佐天さんの周囲の空気を冷やしておく。
「え……っとー……、ごめんなさいっ!」
周囲の4人から冷たい視線を……というか、俺が実際に空気を冷やしているわけだが、4人の視線を受けていることに耐えられなくなったのか、佐天さんが勢い良く謝った。
「まー、いいわよ。行きましょう」
俺はそう言いながら能力を解除する。そして、6人でカラオケ店に入ったのである。
「やっとジャッジメントになれたね。おめでとっ!」
「おめでとー、ういはるん。やったねっ!」
「初春さん、おめでとぉ〜!!」
部屋に入ってドリンクや食べ物などが一通り揃ったところで、ジャッジメント就任祝いのカラオケパーティーが始まった。なお、俺が呼ばれたのは5人よりも6人のほうが料金が安くなるからだったようだ。5人までの料金計算と6人からの料金計算が違っていて、6人で来ても5人の時とそれほど違わない料金になるので、割り勘にするなら6人で来たほうが一人当たりが安くなるのである。
「ありがとうございます、皆さん。ようやく念願叶ってジャッジメントになることができまし
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