第五話 一人目
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ドォーン。
そんな。
僕が負けたの?
黄瀬くんの弱点を知っている僕が。
「水野っち。勘違いしているようだから教えてあげるっす。俺は弱点を克服したっす。」
「そんな。どうやって。帝光時代にどんなに頑張っても克服出来なかったのに。」
「それは秘密っす。・・・挨拶だけじゃ変えれないっスわ。」
まだなにか企んでいるよ。
「やっぱ黒子っちも下さい。」
えっ?
「海常おいでよ。また一緒にバスケやろう。」
「「なっっ!?」」
クロちゃんは期待通りの回答はくれないんだって。
「黒子っちのことは尊敬してるんスよ。こんなとこじゃ宝の持ち腐れだって。」
そこまでいっちゃうんだ。
僕もちょっとデイフェンスではなくオフェンスで黄瀬くんと勝負したいな。
「ねっ。どうスか。」
「そんな風に言ってもらえるのは光栄です。」
でもクロちゃんなら
「丁重にお断りさせて頂きます。」
「文脈おかしくねぇ?」
「黄瀬くん。僕からのお願いを聞いてください。」
「どうしたんスか。」
「僕がオフェンスになった場合での勝負をしてください。」
「でも水野っちはディフェンスのはずじゃあ?」
そう認識されるのが妥当だけど。
「僕が負けたら転校を今日中に手配しますから。」
「いいんスか。」
「はい。」
「分かったっス。」
もう一度コートに戻って。
「それでは行きます。」
黄瀬くんは絶対に僕が前に行くと思っている。
でも残念。
僕はアウトからのシュートが得意なんだ。
「どのいくんスか。ゴールはこっちスよ。」
「分かってますよ。でも僕のシュートはここから射っても・・・。」
ゴールに入るまで長いよ。
「・・・入るんだよ。」
見事ゴール出来ました。
「んな。まるで緑間っちみたいスね。」
「僕のほうが全然距離は短いけどね。」
「でもさっきの約束は?」
「少しだけです。私立同士で行われる交換生徒を申請はしておきます。」
「そうっスか。それで黒子っちなんでもっと強いところに行かないの?」
そう言えばなんでなのかな?
気になるよ。
「あの時から考えが変わったんです。なにより火神くんと約束しました。」
あ〜。
あの時の約束か〜。
「キミ達を・・・キセキの世代を倒すと。」
「やっぱらしくねースよ。そんな冗談言うなんて。」
スゴいね〜。
ここまで変わるなんて。
「冗談苦手なのは変わってません。本気です。」
数日後。
「お前ら。なんか交換生徒で来た奴がバスケ部に入るらしい。」
「一体どんなヤツなんですか?」
水野っち。
本当に来てくれたんスか。
嬉しいス。
「僕で〜す。」
「背ちっさ。」
「外見は確かに頼りないがコイツは帝光のレギュラーだったらしい。詳しいことは黄瀬に聞け。」
「「はいっ。」」
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