第四章
このクラスはとりあえず、まあ……大変そうである。
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しない彼にとって、食事くらいは細やかに楽しいものであるべきであり、幸せであるべきなのだ。
そんな掠れた幸せを守る、「変わらない自身の幸福」を望むから、彼も立ち上がった。
それは俺も比企谷も同じだけど……。由比ヶ浜結衣に特別な感情を抱いてなどいないのだけれども、見捨てたって自分はきっと平気かも知れないけど……、やはり。
――女の子はアホみたく笑顔を振りまいているべきなんだ!
まったく、彼女のシリアスなど観ていられない。
それにこの青春活劇。パンが不味くなるんだよ、ksが!
「だーからー、ごめんじゃなくて。なんか言いたいことあんでしょ?」
言いたいことだあ?いやぁ、いくら可愛い女子高生だからって、ふざけるのもよしてよねー。『……言わせたいの間違いだろ。』アホの子は許せても阿呆はいらないな。
比企谷……。お前だって他人にメシ不味くさせられたら、そりゃあ、気に入らないだろ?
――言ってやれよ。期待してる。
「おいっ!その辺で――」
「 る っ さ い 」
「そそっ、その辺でのび……飲み物でも買ってこよぉーかなぁー。で、でもやめておこうかなぁ……」
――やめとけよ。と言い切れぬまま比企谷撃沈……。このアホが!
まあ、仕方ないや。しかも、いい気分転換になった。
とりあえず「すすっ、すびばぜんでじたっ」とか平謝りにならなかった点だけでも、よくやったよ。……ってことにしておこう。
スッ、とまるで最初から存在しなかったかのように自分の席に縮こまるヒキなんて完全に無視して、あーしは由比ヶ浜結衣を上から見下ろし、またもや意味の分からないことを言い出す。
「あんさー、ユイのために言うけどさ、そういうはっきりしない態度って結構イラッとくんだよね」
結局お前がイライラしてるだけ。本当に――。バカなやつだ。
それにしたって由比ヶ浜さんは実に気の毒だなぁ。
「……ごめん」
「またそれ?」
はっ、とバカなあーしは呆れ顔から怒りを滲ませ、無駄に高圧に嘲笑した。
自分の正しさを主張している人間ほど見苦しいものはない。……それが、実際正しくなければもっとだ。
めんどくさいね。本当にめんどくさいね。
さっさと終わりにしてくれよ。拙いんだよ、お前ら。……特にあーし。
――友達なんて言いながら結局お前は……!
そう嘯いて、俺が立ったまま細い目であーしを見据えると、意外にも比企谷八幡が再度立ち上がった。……いや、意外は余計だったみたいだ。比企谷の目は、腐ってはいるのだが、どこか人間味を感じさせた。
「ね、ユイー、どこ見てんの?あんたさぁさっきから謝ってばかりだけど」
そして、比企谷の目線の先にいる由比ヶ浜さんの目は涙で濡れていた。
「ごめん――」
僕は、今まで、こん
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