第1部
第1章
差出人
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この学園の生徒会は、一言でいえば「高貴」だ。
一般の生徒は生徒会を異様なまでに慕っている。まるで王と家来のように。
無論、俺はそのようにしている(心の中ではちっとも慕う気はない)
慕っていないと…うん、俺の幸せな学園生活は終わるな。ほかの生徒に何をされるやら…
そうそう、生徒会には不可解な点がある。
まず3年生ではなく2年生が生徒会の主格なのである。
新学年になったばかりで引き継ぎでもないのに。
そして、生徒会室にはだれも足を踏み入れてはいけない。
なぜかはわからないが。
今から俺はそこへ入ろうとしているのだが。
生徒会室へ着いた。
こんこんっとノックをする。
「…どちら様ですか?」
中から声が返ってくる。間違いない、あいつだ。
「2年の水は…」
バタアアアアアンッッッ!
名前を言いかけた途端ドアが勢いよく開けられた
「あ…あんたっ!早く入って!ここに入ってることばれたらどーすんのよっ!!」
あいつはあわてて俺を生徒会室へ入れた。
「しょーがないだろ…お前が呼び出すのが悪いんだよ、沢霧。」
そう言って俺はメールを送ってきた張本人、沢霧(さわぎり)を見る
メールが送れたのはこいつしかいない。クラス内、いや学年1位の成績だし、生徒会だし。
「いろいろあんのよっ!…とりあえずそこで待ってなさい!逃げたら…ココに入ったことバラすわよ?」
それは困るな、うん。俺まだ死にたくねーもん。
「わかったわね?じゃあねっ!!」
なにか用事があるのか沢霧は出ていく。
さきほど説明したが、生徒は生徒会を家来のように慕っている。
沢霧は生徒会だ。
いや、実は生徒会長だ。
そんな人に俺があんな口をきいていたとなると…
殴るだけじゃ済まされねーかも…
俺だって沢霧とあんな関係じゃなかったら慕ってたかもしれない。
普段のあいつはきちんとしていて、さっきみたいにうるさくないからだ。
沢霧が俺にあんな態度をとるのは、
俺とあいつは幼馴染だからだろう。
もちろんそのことは隠している。
廊下からバタバタ足音がする
「たっだいまぁー!!水原…よしっ逃げてないわね」
さすがに逃げれねーよ。
沢霧は何人か生徒を連れてきていた。
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