第11話 模擬戦
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「ドラッグ?」
あの事件の後、隊舎に戻ったリクは、その他の隊長陣、そしてアキ、レイと一緒に隊長室に来ていた。
椅子に座るはやての前には空中に映し出されたディスプレイ。そこにある薬品の情報が記されていた。
「そうや。あの後あの犯人の血液をシャマルに調べてもろうたら、そこからドラッグ…つまりは違法な薬物反応が出たんや」
―――エクスエデン。
ディスプレイにはそう書いてある。
そしてそれが今回の事件の元凶となった薬物の名前だ。
「あ、それ私も見た事あるよ?最近執務官達の間でも結構話に出て来るし」
フェイトがそう言った。
「ここにも書いてある通り、ドラッグの名前はエクスエデン。最近若者の間で流行っとるもんらしい。それでや、このドラッグには服用者を攻撃的な性格に変える作用があるらしい」
「攻撃的な性格に変えるとはどういう事でしょうか主はやて」
シグナムが尋ねる。
「所構わず物を破壊したり、人を傷付けたりと、まあ、様々やな」
「そのクスリを捌いている奴、もしくは組織って分からないんですか?」
リクの質問に、はやては悔しそうに首を横に振った。
「残念やけどな。全く足取りが掴めてない。不甲斐ないばかりや」
「そんな!はやてちゃんは悪くないよ。悪いのはドラッグを売ってる人達じゃない」
「そうだよはやて」
なのはとフェイトの言葉で、その場にいるヴィータやシグナムを同じことを言った。
はやてはそう言って貰えた事が嬉しいいのか、先程の表情とは一変して、嬉しそうな、それでいてやる気に満ちた顔をしていた。
「ありがとな皆」
はやては笑いながらそう言ったのだった。
◆
結局、解決策はおろか、明確な対応策すら出ずに、解散となった。
エクスエデンを売っている売人の足取りが一切掴めていない事に加え、麻薬捜査は機動六課の完全なる担当外である。それらの事情も加わり、しばらくは何も出来ないのである。
その結果、執務官であるフェイトが仕事の合間に調べるという事で話は落ち着いた。
「…………………」
リクは廊下を歩きながら、少しだけ表情を固くしていた。
頭を巡るのは今日の事件。結果として犯人は逮捕したが、現状としては何も好転していない。いや、フェイトに更なる負担を掛けたという点でマイナスにしかなっていない。
リクはそう思っていた。
(何か力になれればいいが…)
が、リクの階級は下も下だ。
新人であるスバルやティアナとほぼ同じ権限しか有していない。勿論長年管理局にいたおかげで、交友関係等は多少はマシだ。あくまで多少は、だが。
とまあ、結果的にどういうことかというと、リクにはフェイトに力に
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