第11話 模擬戦
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斬月を振り、魔力弾を吹き飛ばそうと考えた瞬間、背後からいきなりスバルが現れた。
(幻術かっ!!)
ティアナの幻術により、スバルの姿を消していたのだろう。クロスファイアシュートと並行して幻術を発動出来るティアナの器用さにリクは賞賛を通り越して驚嘆する。
リクは即座にからくりに気付くが、既にタイミング的にどうしようもない所まで来ていた。
「ディバイン―――バスタァァー!!!」
スバルの拳から放たれる魔力砲撃。
そしてティアナが放った四つの魔力弾。
その両方がリクに襲い掛かる。
ドオオン!!!
大きな爆発音と共に、辺りの大地が吹き飛ぶ。
土煙が立ち上り、今の一撃がどれ程のものか、物語っている。
「流石にこれは防ぎきれな―――」
ティアナの言葉はそこで途切れた。
土煙が晴れたそこには、左手でスバルの拳を掴んでいる、一切の傷を負っていないリクが立っていた。
―――まさか、止めた?
―――スバルのディバインバスターを?
―――素手で?
混乱していた。が、混乱していたから、ティアナは本来ならありえないと思わざるを得ない解答をすんなりと受け入れる事が出来た。
「今の攻撃は良かったな。特にティアナ、幻術と魔力弾の同時使用は驚いた」
リクはスバルをティアナの方に放り投げ、そう言った。
その表情は少しだけ喜びが浮かんでおり、そこには二人をバカにするのではなく、二人の実力をある程度認めていると語っていた。
それを見抜いたティアナだが、彼女が思ったのは、「けど、所詮はある程度なんだ」という悔しさだった。
「いつか絶対あんたを認めさせてあげるわ」
負け惜しみがふんだんに盛り込まれた言葉だったが、リクは小さく笑った。
「楽しみにしといてやるよ」
そしてリクは斬月を振り下ろした。
放たれる剣圧に、二人は呑み込まれた。
こうして、三人の模擬戦は、スバルとティアナの敗北で決着がついたのだった。
そしてこの日から、ティアナとスバルはリクと毎日訓練するようになった。
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