第11話 模擬戦
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そして。
「―――死ぬ気で来い」
背後からリクの声が聞こえた。
「「え?」」
余りにも予想外の事に、二人は揃ってマヌケな声を出す。
そんな二人だが、一番最初に気付き、対応したのはスバルだった。
「―――この…ッ」
背後に向けて蹴りを放つ。
しかしそれは難なく回避される。だが、スバルが動き出した事により、ティアナの意識も動き出す。
ティアナは背後に跳び、それと同時に魔力弾を形成する。
「喰らえッ!!」
放つのは単発の魔力弾―――シュートバレット。
ティアナはこれを弾速を上げて発動している。
ティアナは確信していた。いかに強かろうとも、この距離からではこの攻撃は躱せない、と。そうなればリクは攻撃を防がざるを得なくなる。そして後は至近距離にいるスバルの猛攻。そして自分の攻撃で主導権を握れる。
そうティアナは考えていた。が。
「甘いな」
リクは迫りくる魔力弾を、左手で掴んだ。
そして、ティアナとほぼ同じ思考に行き着いていており、既にリクに拳を放っていたスバルに投げつけた。
「ぐあぁっ!!」
「スバル!!」
魔力弾が直撃したスバルは、その威力で後方に吹き飛ぶ。
リクはそんなスバルに更なる攻撃を仕掛ける。それを見たティアナは急いで魔力弾を作るが、ティアナの発動速度では到底間に合わない事を先程の攻撃から見抜いたリクは、気にせず斬月をスバルに叩きつける。
スバルは咄嗟に腕を交差し、障壁を張る。
ドオオォオオン!!
しかし防ぎきれず、そのまま吹き飛ばされる。
そして、同タイミングで、ティアナの魔法が完成した。魔力弾の数は全部で四つ。
「クロスファイア―――シュート!!」
同時に発射された四つの魔力弾。
それをリクは斬月を一振りする事で諸共吹き飛ばした。
「そ、そんな…」
ティアナはそう呟くが、戦意は未だ折れていない。
そもそも、ティアナはリク相手に勝てるとは思っていなかった。その程度の戦力差分析くらい出来るのだ。
だからティアナにとってこれは経験を積むためのものだった。勿論リクの上から目線にイラッときたのは確かだが、それも今思えばリクの策に乗せられたと思えなくもない。
「ホント、ムカつく…」
ボソリと呟いたティアナはカートリッジを二発消費して、再び魔力弾を造りだす。
「おいおい。同じ手はもう―――」
「うるさい!喰らいなさいよっ!!―――クロスファイアシュート!!」
先程同じ四発の魔力弾がリク目掛けて襲い掛かる。が、今回はカートリッジを二発消費している為、威力は格段に上昇している。
しかし、それでもリクにとってはたいした脅威ではない。
先程と同じように
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