第11話 模擬戦
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スバルはともかく、負けず嫌いのティアナは必ず噛み付く。まあ、スバルの方も負けず嫌いといえばそうなのだが、彼女はティアナとはまた別種の負けず嫌いだ。
そして、ティアナは案の定目を鋭くして、リクを睨みつけた。
「そんなに言うならあたし達に無剣さんの実力を見せて下さいよ」
「ちょ、ちょっとティア!いきなりは失礼だよ」
スバルが慌てたようにそう言う。
まあ、いきなり年上でもあり、一応の先輩でもリクに噛み付くのは非常識といえば非常識だ。とはいえリクはそういった事は気にしないし、今回はリクがワザとけしかけたようなものだ。
「気にしないでいいぞスバル。じゃあいつもの場所で模擬戦でもするか」
いつもの場所。
それは新人四人がいつも訓練しているあの場所のことだ。
「わかりました」
ティアナは毅然とした表情でそう呟いた。
◆
訓練場に三つの影があった。
それは二つに分かれており、一つはスバル=ナカジマとティアナ=ランスター。そしてもう一つが無剣リクだ。
スバルとティアナは、それぞれデバイスを起動させ、バリアジャケットを展開している。
片や、リクは管理局の制服のままだ。
そして三人は荒野の上に立っていた。これは「折角戦うなら今まで使ってないフィールドでやろうぜ」というリクの案である。あとは、空戦スキルのないスバルとティアナの為でもあるのだが。
「じゃあルールを説明する。まあ、ルールって言っても俺が負けを認めたらお前らの勝ち。お前らが負けを認めたら俺の勝ち。でいいだろ?」
二人は同時に頷く。
「よし、じゃあ始めるか」
リクはポケットからアヒル口の入れ物を取り出す。この中に義魂丸が入っている。
義魂丸を一つ取り出し、それを口に放り込み、そして噛み砕いた。
その瞬間、リクの体が魔力に包まれる。が、それも一瞬で、魔力はすぐに吹き飛ばされ、中から漆黒の着物に身を包み、背中に巨大な刀を背負ったリクがいた。
「あ、あれが…」
それは見たティアナが茫然と呟く。
スバルは声を出す事も出来ないらしい。
一応リクやレイやアキの戦闘映像は見せて貰った二人だが、やはり直接見ると驚いてしまうらしい。
「ああ。これが俺の、お前らでいう所のバリアジャケットだ。俺達は〈死覇装〉って呼んでる。そしてこの刀を〈斬魄刀〉って言うんだ」
言いながら、リクは背中にある刀…斬月の切っ先を二人に向ける。
「準備はいいか?二人とも」
「い、いつでもどうぞ」
「だ、大丈夫です」
二人は本能的にリクの強さを感じ取り、声が上擦る。
「そうか。なら―――」
リクの姿が消える。
二人は余りにも唐突な出来事に一瞬思考が止まる。
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