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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
剣を手に入れた女のお話・2
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がちゃっ、とおもむろに家の玄関が開く。
「あら?そんな所でつったって何してるのアンタ?もうご飯出来たから早く上がって手を洗いなさい!」
「・・・お母、さん」
そこにいるのは見紛うことなきマイマザー。相変わらず色褪せたぼろいエプロンを後生大事に使い続けてる、しかし私の記憶にいるよりも心なしか若いような気がする母だった。
「何?」
「えっと・・・ただいま」
「おかえり。さぁさっさとしないとお吸い物が冷めちゃうわよ?」
「・・・はーい!!」
慌てて家に入り込む。台所からはほのかな醤油の香りが流れてくる。
・・・流し台の位置も昔落書きした壁の絵も、トイレットペーパーを置いてある場所まで寸分の狂いなく私の家と一緒だった。
私はそのまま両親と一緒にご飯を食べた。吸い物の正体はあさり汁。砂抜きが不十分でがりっと砂を噛んだせいで「ああ、これ作ったの私の母ちゃんだわ」と確信した。この人はだいたい砂抜きを適当にするのでこういうのは良くやるのだ。ちょっとだけ感動で泣いた。砂噛みながら。
ただ、自立してからの飼い猫である「ぽんず」までこの家に住んでるのは予想外だった。
「ねぇぽんず」
「なーお」
「この家が出来たのって、この世界における私の家族の存在確率を弄ったせいなのかな?」
「なーお」
「・・・ご都合主義どころの話じゃないよ。しかも何故かお前もいるし」
「なーお」
「私の感じたあの絶望感は何だった訳?あのシリアルな空気を如何してくれんのよー」
「なーお」
ちなみにぽんずはカナダオオヤマネコという猫だ。耳先にピンと立った毛と首元のモフモフに惹かれて買ってしまった可愛い相棒である。高くついたがね。ぽんずの名前の由来はポン酢の入っていた容器に異常に固執していた事に由来する。
「お風呂沸かしたわよー!とっととぽんずを離して入りなさーい」
「うーい」
やがて私はチートソードに関して深く考えるのを止めて風呂に入った。(身体がロリ化していた。解せぬ)
ぽんずを思う存分もふった。もふりながらふと思ったけど、体が子供になってるせいで集中力や体力が低下してることに気付いた。簡単に言えば、まだ午後8時なのにすげえ眠い。
寝た。
朝起きて、何を思ってか寝ぼけたまま四宝剣を呼び出して振ってたら家の建ってる位置が変わってた。超焦ったけど両親も近隣住民も何も気にしていなかった。心臓に悪いし周囲の無反応が逆に怖かったので、これから絶対に剣を呼び出すまいと心に誓った。
で・・・・・・
「今日からこの学校に転校してきました、
鳳
(
おおどり
)
苗
(
なえ
)
っていいまふ・・・」
(噛んだ)
(噛んだね)
(噛んでやんの)
「・・・コンゴトモヨロシク」
何故か私は転校してきた
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