魔法先生ネギま!
0285話
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「あーあ、情報無しかぁ」
既に薄暗くなった道を寮へと歩きながら、朝倉がぼやく。
桜通りの吸血鬼について4時間程調べていたのだが、結局有益な情報は手に入れられなかったのだ。
「さすがに友達の友達の友達が被害に遭ったとかそういうのはちょっとねぇ」
「麻帆良のパパラッチでもさすがにお手上げか?」
「うーん、もっとしっかりとした情報源が欲しい。……いや、いっそのこと囮捜査という手もあるか?」
真面目な顔をして考え込む朝倉。その様子に、思わず溜息を吐く。
「さすがに自分を餌にするというのはどうかと思うぞ」
「何言ってるの、ジャーナリストを目指す者としては自分が身体を張ってスクープが取れるのなら身体を張るのは当然の……ん? ねぇ、アクセル君。今何か聞こえなかった?」
確かに聞こえた。女の悲鳴。だが、それは恐らくエヴァの仕業であるのは間違い無いので邪魔をする訳にもいかず……
「さて、俺は聞こえなかったが。それよりもこれからどうする?」
「え? それは……」
俺の言葉に気のせいだったと納得したのだろう。何かを考え込むような仕草をし……
バキキキキキンッッッ!
まるでガラスか何かを割るかのような音が周囲へと響き渡った。
と言うか、ネギにエヴァ。せめて認識阻害の魔法を使ってやり合えばいいものを。
「……聞こえた?」
「ああ」
さすがに周囲に響き渡ったこの音を聞き逃したなんて言える筈も無く、しょうがなく頷く。
「桜通りの方からだよね?」
「恐らくは。……行くのか?」
「もちろん」
「あの様子から察するに、色々と危険そうだぞ?」
「スクープを撮る為には多少の危険くらい承知の上だよ」
いつも持っているカメラを俺に見せつけるようにして持ち上げる。
パパラッチでもそれなりに肝が据わっている、か。
「取りあえず私は行くけどアクセル君はここにいてね。もし本当に危険ならさっさと逃げちゃうんで心配いらないから」
それだけ言って、桜並木の方へと走っていく。元々護衛として俺を連れ歩いていた筈なんだが、それもすっかり忘れているらしい。
いや、まぁ、俺の見た目がコレなんだからしょうがないと言えばしょうがないんだけどな。
ともあれ、遠回しにだが千鶴に護衛を頼まれた以上は放って置く訳にもいかないだろう。ネギとエヴァの戦いに巻き込まれて怪我をしてしまったら、エヴァはともかくネギはかなり落ち込みそうだしな。
「こんな所でエヴァの予想が当たるとはな」
昨日の夜に寮の近くにある丘でエヴァは俺がこの件とは無関係だと言った時にどこか意味あり気に笑っていた。まさかこうなる事を予想していた訳ではないだろうが。
とにもかくにも、まさかこのまま朝倉を放っておく訳にも
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