第2話寝る時は部屋の電気を暗くして寝ましょう
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空には月が昇り、辺りはすっかり暗くなってしまっていた。草木も眠る丑三つ時……とまでは行かないが、とにかく辺りはすっかり暗くなってしまっていた。
そんなド暗い江戸の町の真っ只中に万事屋ご一行は佇んでいた。
「銀さん、本当にこんな所に居て現れるんですかぁ?」
不安そうに横に居る銀時に尋ねる。一同は今、江戸の大通りに居る。と言っても堂々と大通りに立っているのではない。建物と建物の間に入り隠れていたのだ。
俗に言う隠密作戦である。言わないかもしれないが思ったもん勝ちである。
「これで現れなかったら銀ちゃんのせいアル! ちゃんとしろよゴラァ!」
隣に居る神楽までもが疑いだし始める。新八と神楽だけじゃない。神楽のペットで大型犬も真っ青な位の巨大犬こと定春が舌を出しながら後ろで待機しており、そしてなのはも何故か戦列に加わっていた。
本人曰く一人で万事屋に居るのも嫌なのでついてきた、と言うそうだ。
だが、今回のこの仕事は遊びじゃない。前回も言っていたがその例の化け物に幕府がこれまたべらぼうな懸賞金を儲けたのだ。その額を見ただけで万事屋メンバーは飛び上がる思いだったと言うそうだ。
恐らくその懸賞金があれば暫く家賃の心配はしなくて良い上に贅沢し放題してもおつりが来る位の額だと言う。
だが、額の大きさはそのまま獲物の強さに比例する。油断は出来ない仕事だったのだ。
無論、その獲物を他の奴等も狙っている筈。奴等に先んじてその獲物を仕留める必要があるのだ。
全ては、家賃を払う為と暫しの贅沢の為に。
「良いかてめぇら。奴は必ず此処に来る。あのゴリラだってそう言ってたんだ。間違いねぇ」
「ゴリラって何時も裸で素振りしているフニャチンゴリラさんの事?」
なのはの脳裏に浮かんだのは以前真選組に訪れた際に深く記憶に残っている一面が故である。以前銀時達が幽霊退治の詐欺仕事に来た際に皆の呪いを解こうと局長である【近藤勲】が一人庭で素振りをしていたのだ。
しかも真っ裸でである。無論男の勲章であるアレも元気良く動きまくっていたのは言うまでもない。
その光景を見てしまったが為にそれ以降なのはからは【フニャチンゴリラ】と言われるようになってしまったのは言うまでもない事実である。
「近藤さんも落ちましたね。こんな子供に其処まで言われるなんて」
「何言ってんだよぱっつぁんよぉ。あいつぁ元から落ちるとこまで落ちてる奴だぜ。もう落城寸前の城同然だよ。あれ以上落ちてる奴は俺は知らないなぁ」
本人が居ないとは言えあんまりな言い分であった。だが、事実なのだししょうがないと言えばしょうがないのだが。
だが、忘れて貰っては困る。確かに近藤は変態だが、一応職を持っている。その上結構な役職についているのだ。社会面についてはま
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