暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
無印編 破壊者、魔法と出会う
19話:別れは辛いが、だからこそ再会は楽しみになる
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「じゃあ、私も」

そう言って、フェイトは黒いリボンを外し、差し出す。二人はお互いに出されたものを受け取る。

「ありがとう、なのは」
「うん、フェイトちゃん」
「きっとまた…」
「うん。きっとまた…」

そんな二人を見て、俺は首にかけていたトイカメラを手に取り、レンズを覗く。

「二人とも、一枚いいか?俺には、これぐらいしかできないから」
「あ、うん!」
「お願い、士」

そう言って二人は近くに寄り添う。それに合わせて、俺はシャッターを切る。

「できたら渡したいけど…手紙のやり取りとかできるのか?」
「普通は難しいが、なんとかしてみせる」
「それはありがたい」

クロノとそう話していると、一緒にやってきたアルフがユーノをなのはの肩に乗せた。
軽く会話を交わし、別れの時がきた。クロノが足下に魔法陣を展開し、その上にフェイトとアルフも乗る。
魔法陣の光が増していく中、フェイトが俺達に向けて手を振ってくる。俺もなのはもユーノも、それに応じて手を振る。

そして光が溢れていき、フェイト達はアースラへと戻っていった。
海鳴の海から吹いてくる風が、俺達の髪をなびかせる。

「なのは…」
「行くか」
「うん!!」

こうして俺達は、以前とはわずかに違う日常へと戻っていった。
















とある場所。暗がりの中で、金色の影が動いていた。

「余は…余はこんなところで…」

その影は、時の庭園で士が倒した筈の、ジャーク将軍だった。

「余はまだ、大ショッカーが目指す世界を…この目で…!」

士の攻撃をどう回避したかはわからないが、多少の無理をしたのだろう。体は既にボロボロだった。

「だいぶまいってるようですね、ジャーク将軍殿」

そこに、ジャーク将軍の後ろから声がかかる。振り向くと、そこは深い闇だけがあった。

「その声…そちは!?」
「そう、私ですよ。井坂先生の協力もあって、ようやく私の体が完成しました」

ジャーク将軍はその闇から聞こえる声だけで、その声の主を判断し話しかける。相手もゆっくりとジャーク将軍に近づきながら声を出す。

「ならば共に彼奴を…」
「いえ、それはできない相談です」
「な、何故だ!?」

ジャーク将軍の提案に、声の主は反対する。その予想外の事に、ジャーク将軍は声色を変える。


「何故なら…あなたには、ここで消えてもらうからです」


「っ!?」

その言葉と共に、闇の奥にいる男の姿が変わっていく。闇に紛れてその姿はよく見えないが、わずかに差す光に男が持つ刃で反射する。

「な、何故だ!?」
「それが上からの命令ですから。もうあなたは用無し、という訳ですよ」
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