暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
無印編 破壊者、魔法と出会う
19話:別れは辛いが、だからこそ再会は楽しみになる
[7/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
橋の鉄柵に手をかけながら、海を見て話す二人。俺は腕ごと鉄柵に置いて、その上に顎を乗せて二人と同じように海を眺めていた。

「だけど…うれしかった」
「え?」
「まっすぐ向き合ってくれて」
「うん、友達になれればいいなって思ったの」

そういって海からフェイトへと視線を変え、笑顔を見せるなのは。

「でも、今日はこれから出かけちゃうんだよね?」
「…そうだね。少し長い旅になる」
「また会えるんだよね!?」

尋ねるなのはの顔には、少し不安の色が見える。でもフェイトは優しく頷いた。

「少し寂しいけど、やっとほんとの自分を始められるから。来てもらったのは、返事をするため」
「え?」

フェイトの言葉に少し驚くなのはに、フェイトは頬を若干赤くしながら言い始める。

「君が言ってくれた言葉。友達になりたい、て…」
「っ!うん、うん!」
「私にできるなら、私で言いならって…。だけど私、どうしていいかわからない。だから教えてほしいんだ。どうしたら友達になれるのか」

途中から少し俯いて話すフェイトの表情は、どこか寂しそうだった。
それもそうか。アルフが言うには、フェイトは産まれてすぐプレシアの使い魔、リニスに魔法や言葉を教えてもらっていた。ならば、その当時は当然、友と呼べる存在などいなかったのかもしれない。
そう思うと、やはりこちらも表情を暗くしてしまう。そう、なのはとフェイトのやり取りを横目で見ながら思った。

「簡単だよ」
「え?」

すると、なのはが意を決して声をかける。その言葉に、フェイトは少し驚きを見せる。

「友達になるの、すごく簡単」
「…………」
「名前を呼んで。最初は「君」とか「あなた」とかじゃなくて、ちゃんと相手の目を見て、はっきり相手の名前を呼ぶの。私、高町 なのは。「なのは」だよ!」
「……なのは…」
「うん、そう!」
「…な、の、は」
「うん」
「……なのは」
「……うん…!」

何度もフェイトに名前を呼ばれ、なのはは涙を浮かばせながらフェイトの手を握った。そこに、海からの風が優しく吹いて、二人の髪をなびかせる。

「ありがとう、なのは」
「…うん……」
「なのは…」
「………うん!」
「君の手は温かいね、なのは」

そして遂になのはの涙が、なのはの頬に流れる。フェイトはその涙を拭う。

「一つわかったことがある。友達が泣いてると、同じように自分も悲しいんだ」
「フェイトちゃん!」

フェイトの言葉に、なのははフェイトに抱きつく。フェイトもそれを受け止め、その両手で優しく包み込む。

「ありがとう、なのは。今は少し離れてしまうけど、きっとまた会える。そうしたら、また君の名前を呼んでもいい?」
「うん…うん…!」
「会いたくなっ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ