虚空爆破
Trick13__実は私、薬が効かない体質なんです
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風紀委員177支部へ信乃は来た。
「こんにちは」
「あ、信乃さんこんにちは! 怪我の具合はどうでした・・って大丈夫ですか!?
顔色悪いですし、目の下にクマがありますよ!」
支部にはいつもの4人が来ていた。驚いた声を出したのは初春だったが、
他の3人も同じことを考えている顔だ。
信乃の表情、態度はいつもと一緒だが、顔だけは少し青白くて目の下が黒い。
「気にしないでも大丈夫ですよ」
「大丈夫に見えないからいってるんです! 病院行きましょう! 今すぐ!!」
「落ち着いてください佐天さん。怪我は全治1週間程度で問題ありませんから」
「じゃあなんでそんな顔してるのよ! どうみても大丈夫じゃないわよ!!」
「ええと、ですね・・・・傷が痛くて昨日は一睡もしていないから・・」
「「「「は?」」」」
信乃はバツが悪そうな顔をして言った。
「傷が痛くてって、痛み止めのお薬はありませんの?」
「いえ・・実は私、薬が効かない体質なんです」
「どういうことですの?」
「私も初耳よ」
信乃と一番付き合いの古い御坂も初めて知ったことで驚いたようだ。
「薬って元々は毒、ということは知ってますよね。
熱を強制的に下げる毒物を調合した解熱剤。
血圧を強制的に上げる毒物を調合した昇圧剤。
毒と薬はある意味同じなんです。
私は小さいころから免疫が異常に強くて、毒物はおろか薬さえ効かないほどです。
つまり、“神経をマヒさせる”痛み止めも同じく効かないんですよ。
まあ、気にしないでください。代わりに傷の治りも早いので、
全治1週間なら3日あれば治っていますから」
ハハハと信乃は笑っていたが、青い顔で笑われてはこちらとしては笑えなかった。
つづく
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