城内部
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になってるんだろ?それだったらこの中にいるモンスターのときに使ってやるよ」
「まあ、破壊不可オブジェクトに向けてやるよりもそのほうがいい気もするが、早く見たいからな」
「それだったら早く行こうぜ。この城の中に」
「OK、手っ取り早くクリアしますか」
二人はそう言って、城の入り口へと向かう。と、到着したのはいいが、城とその前を繋ぐ橋が降りていなかった。頑張れば跳んでいける距離かもしれないが、それだとミナトはどうすればいいかわからない。
「ちょうどいいもんをこっちは持ってるじゃん」
ミナトが不意にそう呟いた。一瞬、その意味が分からなかったがすぐに理解する。橋を向こう側で止めているのは鎖だ。その鎖は見た感じでは破壊不能オブジェクトだが、その付け根に至ってはそうではないようだ。
「ああ、確かにちょうどいいな。実力を見せるのにもちょうどいいしな」
ゲツガは二本の短槍を取り出すと片方を地面に刺して片方だけを番える。そして最大まで引き絞ると放つ。短槍は空気を切り裂きながら進んで鎖を繋いでいる付け根の部分に見事に当たった。もう一つの槍も地面から抜くと素早く番え、もう一方の付け根に向かって放つ。それも寸分違わず当たり鎖が消える。
「は〜、うまいもんだな」
ミナトは感心したようで声を洩らしていた。
「まあ、ざっとこんなもんよ」
そして支えを失った橋はそのままゲツガ達の方に加速しながら倒れてくる。
「……とにかく離れるか」
「そうだな」
ミナトとゲツガは加速しながら倒れてくる橋に危機感を覚えたのかすぐに離れる。危険域じゃないところまで来ると同時に後ろでものすごい音とともに衝撃と砂埃が発生する。それが徐々に晴れてくるとようやく自分たちの目的の前に橋が出来た。
「少しは後先のことを考えてやるべきだったな……」
「そうだな……」
さすがにあのでかいものが落ちてくることは考えていたがここまではならないと思っていたのだがさすがにそんなことはなく、かなりの衝撃があった。後ろにいるミナトの使い魔たちも顔が真っ青に見える。
「まあ、無事だったんだし中に入ろうぜ」
「そうだな」
二人はそう言って城の中に入った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
城の中に入るとまずエントランスが出迎える。綺麗な装飾がされているが灯りが薄暗いし人がいないためどこかさびしさを感じる。それと思う一つ、不気味な点がある。
臭いだ。
その臭いは鼻を突く、鉄のような臭い。しかし、鉄のような臭いだが若干違う。それは現実で自分達が一度は見たことあるものの臭いだ。
血だ。
「何でこんな臭いがするんだ……」
「まったくだ。正直、きついぜ……」
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