第1部
ジュエルシード事件編
第1話 働かざる者食うべからず
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ぇには弱者を労わると言う気持ちはねぇのか?」
相変わらずの毒舌っぷりに銀時は涙目になり掛けている。神楽の毒舌は今に始まった事ではない。初登場時から結構な毒舌っぷりを遺憾なく発揮していた。この毒舌こそが神楽の持ち味なのだからこれは外せない。
「その様子だと、お仕事の電話は来てないみたいだね」
「来てねぇよ。来てたとしても俺ぁ仕事なんかしたくねぇけどな」
相変わらずやる気の欠片もない銀時の発言に新八となのはの二人は揃って溜息を放っていた。
この銀時のやる気の無さも今に始まった事ではない。ないのだが此処までやる気がないと流石に呆れを通り越して尊敬すら感じてしまう程だ。まぁ、だからと言ってこんな風にはなりたくはないが―――
「何であんたみたいな駄目人間が主人公なのか今更ながら僕は疑問に感じてきたよ」
「うっせぇなぁ。世間じゃどいつもこいつも【熱血】とか【気合】ばっかで熱苦しいんだよ。たまには使ってやれよ【てかげん】とかさぁ。良いじゃんたまには俺みたいなゆる系の主人公が居たってさぁ」
「あんたみたいなダメ人間の主人公なんか見たって楽しくないわ!」
銀時と新八の口喧嘩がいよいよ本格的にやばそうな方向へ転びそうになりだしている。このままだとガチで殴り合いに発展しそうだ。
人間の感情が狭まるとこんな事をしでかすのだから怖い話である。まぁ、仮に殴り合いにでもなってくれれば文章的にも面白味があるのだが―――
「そう言えば、仕事じゃないけどこんな噂話を聞いてきたよ」
「噂話だぁ? どんなのだよ」
金になるのであれば何でも良い。そんな思いと共に銀時はなのはが拾って来たその噂話に耳を傾ける事にした。
まぁ、十中八九信用してないのが、聞かないよりはマシだ。
「実はね、最近この江戸の町に変な怪物が出るんだって」
「怪物? どんな怪物なの?」
「え〜っとねぇ、丸くって、全身に毛が生えてて、目つきが鋭い奴みたいだよ」
身振り手振りで説明する。要するに球体の強面の化け物と言う話らしい。天人がこの江戸に飛来してからは、天人だけでなくエイリアンまでもが江戸に入り込んできている。なのでその手の被害報告は珍しくない。
「どうせどっかの流れエイリアンとかだろ? んなのほっとけほっとけ。一々相手にしてたらキリがねぇよ」
「え〜、でもその怪物に懸賞金が掛かってるみたいだよぉ。お父さんの言ってた【税金ドロボー】って所がそれなりな額のお金をくれるみたいだよ。そのお化け倒したら」
「なのはちゃん。それってもしかして真選組の事?」
「そうそう、それそれ!」
因みになのはが何故真選組を税金ドロボーなどと言うかと言うと、それは一重に親代わりである銀時の影響でもあるが、なのは自身薄々そう感じているからだそうだ。
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