第1部
ジュエルシード事件編
第1話 働かざる者食うべからず
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睨み合っている。鍋からはまだ湯気が立ち上がっており、その鍋の中にさっきまで熱々の熱湯が入れられていた事を物語っている。
「やれやれ、毎日毎日。良く飽きないなぁこの二人は」
溜息混じりに新八はその二人を無視しながら客間にあるソファーに腰掛ける。最早止める気も失せた。この親子の喧嘩などそれこそ日常で起きる事。止める行為こそ時間の無駄。
そう言いたげな面持ちで新八はスルーを決め込んだ。そんな新八の事など全く気にする素振りなど見せる事なくこの親子、坂田銀時となのはとの激しい喧嘩は続いていた。
「だぁかぁらぁ! 何回も言ってるだろうが! 何処の世に育ての親の顔面に熱湯ぶっ掛けるガキが居るんだよぉ! 朝から銀さんからだ全身ふやけちまったじゃねぇか! 起こすんならもうちっと起こし方を考えろって何時も言ってるだろうがコノヤロー!!」
「だってお父さんそれ位しないと起きないじゃない! もうお昼前だよ! 普通の人だったらとっくに活動開始してる時間だよぉ! それに、これくらいしないとお父さん起きないじゃない! 熱湯掛けられるのが嫌ならちゃんと起きてよ!」
と、こんな感じで激しい喧嘩をしていたのであった。
前回を読んだ読者の皆さまは既にお分かりかと思うが、なのはと呼ばれてる少女は前回銀時が育てる事となった赤子の事で、あれから既に9年の月日が流れていたのだ。
え? 幾らなんでも話しが飛び過ぎだって!? 世の中は常にスピードアップを要求してくる時代なのです。なので省ける所は省いて行かないといけないのです。何事も省エネ省エネ。
・・・決して面倒だからじゃありませんよ。
そんな訳で、あの日から既に9年の月日が経過し、すっかり女の子らしい姿になったなのはであったが、どう言う訳か父親に似る事はなく、中身はかなりしっかり出来上がっているらしく。だらしない銀時とは正反対の性格に育っていた。浪費家の銀時に対して倹約家のなのはと言ったところだろうか。
とても銀時が育てたとは思えない育ちっぷりだった。これぞ後の世に語られる事になる【大江戸七不思議】の一つであった。(嘘)
「大体てめぇ! こないだの儲け何処に隠した! 久々のあぶく銭が入ったからあれで昨日パフェ食おうと思ってたんだぞ! 俺のチョコレートパフェといちご牛乳をどうしてくれんだ!!」
「教える訳ないでしょ! 大体あれは今度お登勢さんに支払う家賃なんだから勝手に使ったら駄目だよ! それに、何時も言ってるけどお父さんは糖分取り過ぎなの! 少しは自重しないと今度こそ本当に金玉とか爆発するかも知れないんだからね!」
「良いんだよ! 俺は好きな事やって太く短く生きるって心に決めてるから問題ないんだよ! それにちょっとばかり浪費したって問題ねぇんだよ。そん時ぁ残りの金を元手にギャンブ
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