千李の決意
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出来れば瑠奈のこといつまでも見守ってあげてください」
言うと千李は腰を上げた。
「もういいかい?」
「ええ。瑠奈も大丈夫?」
「うん。大丈夫だよお母さん」
そういった瑠奈の瞳はとても強い光を持っていた。
「では行くかの」
三人は極楽院に戻っていった。
残された瑠奈の両親の墓石はまるでこれからの二人を応援するかのように光って見えた。
極楽院に着くと千李と瑠奈は身支度を整えていた。
「忘れ物はないかい?」
「ええ。私はね、瑠奈は平気?」
「うん!」
そういった瑠奈は背中にリュックを背負って準備万端といった感じだ。
「よし」
千李は瑠奈の手を掴み歩いていく。
瑠奈もそれに嬉しそうに付いていった。
「じゃあ。帰るわね三大ばあちゃん」
「うむ。ではのたまには遊びに来るんじゃぞ?ではな瑠奈」
「うん!またね〜おばあちゃん」
二人はそういうと門を開け外に出た。
外に出たところで大とばったり会った。
「あら大」
「一晩ぶり千姉ちゃん」
「ヒロおにいちゃんだー!」
大は瑠奈がいることに疑問を持ったようで千李に聞いてきた。
千李がことのいきさつを話すと千李は納得したように頷いた。
「すごいね千姉ちゃん。その年で母親になるなんて」
「そうね。だけどもう後には引けないからね瑠奈の両親とも約束してきたから。っとそろそろ電車の時間ね」
千李が携帯を開くと電車の発射時刻が迫っていた。
特に急いでいるというわけではないのだが今日の夜千李にはちょっとした用があるので少し早めに出たいとのことだった。
「じゃあ大またね。そのうち来ると思うわ」
「うん。千姉ちゃんも元気で。姉ちゃんにも言っとくよ」
「ええ。よろしくじゃあ行きましょうか瑠奈」
「おー!!」
瑠奈が返事をすると同時に千李は瑠奈を抱き上げ駅へ急いだ。
その後姿はまさに子を守る親の姿そのものであった。
ちなみにちゃんと電車には間に合いました。
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