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真剣で武神の姉に恋しなさい!
千李の決意
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き目を閉じた。

 5分ほどするとスー、スーという寝息が聞こえたので見てみると瑠奈は熟睡していた。

 千李は立ち上がり廊下へと続く障子に手をかけた。

 そして目だけを瑠奈に向けると千李は小さく「おやすみ」とだけ言い千李は部屋を後にした。

 茶の間に行くと三大が茶を啜っていた。

「瑠奈は寝たかい?」

「ええ。もうぐっすりとね」

 答えに対し三大は「そうかい」というと千李の分の湯飲みにお茶を注いだ。

 千李は三大の正面に腰をおろすと出されたお茶をゆっくりと飲んだ。

「瑠奈はずいぶんとセンちゃんになついとるようだねぇ」

「そうね。あの子とてもいい子ね」

「センちゃん。顔が母親の顔しとるよ?」

 三大が微笑を浮かべながら言うと千李は恥ずかしくなったのか顔を少し赤らめた。

 すると千李はそれをごまかすように三大に聞いた。

「コホン……。ところで髪紐のほうは完成したの?」

 千李が聞くと三大は思い出したかのように懐から髪紐を取り出し千李に渡した。

 すでに結んである髪紐を解きそれを渡しながら千李は三大から新たに封印式が埋め込まれた髪紐を受け取り髪を縛った。

「どうだい。瑠奈の親になる覚悟は出来たかい?」

 唐突に聞かれたことだったが千李はそれに静かに頷き言った。

「ええ。私はあの子の……瑠奈の親になる。そして立派に育ててみせるわ」

 そういった千李の瞳には覚悟とそして決意の光が煌々としていた。

「……そうかい。ありがとうねセンちゃん。あのこの子とよろしく頼むよ」

 千李の決意が本物であることを悟ったのか三大は深々と頭を下げた。

「うん」

 言葉は少なかったが千李はしっかりとした口調で言った。

 だが「でも」と千李はいいそれに三大は頭を上げた。

「でもなんだい?」

「……瑠奈になんて言って私が親になるって言えばいいかわからないからちょっと海風にあたって考えてくるわ」

 千李はそう言うと普段着に着替えなおしふらふらと外に出て行った。

 それを見送った三大はずっこけてしまった。

 ……そんなことそのまま言えばいいだろうに。

「まぁでも。こんなところもあの子のいいところかねぇ」

 三大は湯飲みを片手に縁側に出て月を見上げた。



 極楽院を出た千李はまっすぐに海岸へ向かっていた。

 途中大の家が見え、声をかけていこうかと思ったがやめた。

 ……大にも大の生活があるだろうし邪魔しちゃ悪いわよね。

 そんなことを思いながら千李は住宅地を抜け湘南海岸の遊歩道まで来てしまった。

「ありゃ。結構考え込んでたわね。全然気がつかなかった」

 そういいながらも千李は近
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