第二話、アリシア・テスタロッサ
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識のない植物人間のままだ」
「っ!?」
涙に濡れたプレシアの瞳が、大きく見開かれた。
「彼女が目覚めないのは、超高密度の不純魔力を受けた魔力汚染が原因だ」
不純魔力。それは、様々な魔力が混ざり合ってできる有害な魔力だ。放射能と似ていて、不純魔力を浴びた人体は、自らの魔力と不純魔力が結びつき、汚染され、酷いときでは死に至る。
アリシアは死の一歩手前の状態で、なんとか留まっていた。だが、それがいつまでもつづくとは限らない。彼女を救うためには、一刻も早い魔力の除染が必要だ。
だがそのためには、特別な魔法とそれを行使するための魔道書が必要となる。
その魔法の名は『円環の浄化』。そして必要となる魔道書の名は『碧天の魔術書』だ。どちらも、聖王の一族、つまりラウルのフェルナンデス家が代々継承してきたものであるため、ラウルはこれら二つについての知識は十分にある。準備さえ整えば、今すぐ除染することも可能だ。
だが現在、フェルナンデス家は壊滅。すなわち、今のラウルの手元には、碧天の魔術書がない。円環の浄化は碧天の魔術書と聖王の血を引く虹色の魔力があって始めて成り立つもの。このままでは、アリシアの除染は不可能だろう。
「落ち着いて聞いてくれーーーー」
「じゃあ、どうすればいいのよ?」
俺の説明を聞き終えプレシアは、静かに問いかけてきた。
どうするか…碧天の魔道書がない限り、円環の浄化は使用不可能。探すにしても、フェルナンデス家は壊滅。たとえ、見つけられたとしても、契約は切れてしまっているだろう。
完全に手詰まりの状態か。なら、やる事をやるしかないな。
「アリシアの浄化は碧天の魔道書がない限りは無理だ。だから、なんとしてでも碧天の魔道書を見つけ出す。それしか方法はない」
「でも、どうやって見つけ出すのですか?」
そう言われると………
「………気合い、かな?」
その場の俺を除いた全員がずっこけた。
ーーto be continuedーー
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