第二幕その二十二
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第二幕その二十二
「あれっ、この人は」
「見たところ公証人かな」
「まずいわ」
「いよいよ」
姉妹は二人がデスピーナを見つけたのを見てさらに青い顔になる。もう真っ白だった。
「あの人が見つかったらもう」
「何の言い訳もできないわ」
「いいえ、公証人ではありません」
しかしここでデスピーナが言うのだった。
「私はそうではありません」
「そうではない?」
「では一体」
二人はこれは演技ではなかった。本気で彼女の変装に気付いてはいないのだった。
「誰なのですか?」
「貴方は」
「デスピーナですよ」
「えっ、デスピーナ!?」
「嘘だろ、それは」
今度も本気で言った言葉だ。
「デスピーナだなんて」
「そんなことが有り得るものか」
「いえ、本当です」
しかし彼女はここで帽子を取りそれから鬘と眼鏡も外してみせる。するとそこに出て来たのは紛れもなくデスピーナ本人であった。
「この通り」
「何がどうなんだか」
「もう」
「おや?」
二人が困惑しているとところでまたアルフォンソが仕掛けた。わざと書類を落としてそのうえで二人に対して言うのであった。
「これは一体」
「んっ!?」
「これは」
見れば結婚証書だった。しかもそこに姉妹がしている筈のないサインまである。二人はそれを見て今度は姉妹に対して言ってきた。
「これは何なんだい!?」
「結婚証書に見えるけれど」
「ご、御免なさい」
「許して」
姉妹はもう泣き崩れるしかなかった。
「私達は過ちを犯したわ」
「貴方達を裏切って」
「裏切り!?」
「何をしたんだ」
二人はわざと強い声で彼女達に問うた。
「一体何を」
「このサインは」
「それはその」
「私達は」
「まあまあ」
ここでまたしても助け舟を出すふりをしてアルフォンソが出て来たのだった。
「彼女達を責めないでくれ」
「アルフォンソさん」
「また貴方がですか」
「そうだ。まずは落ち着いてくれ」
こう二人に話すのだった。
「いいかね」
「はい、それじゃあ」
「お任せします」
「それにしても公証人がデスピーナだなんて」
「どういうことなのかしら」
姉妹はここで首を傾げるのだった。
「何かあるような」
「秘密が?」
「さて、こちらに」
その間にアルフォンソは二人をあのアルバニア人達が隠れた場所に導くのだった。
「どうぞ」
「あそこは」
「あの人達が」
姉妹はアルフォンソが指差したその場所を見てまた顔を蒼白にさせる。
「どうしてあそこに?」
「これじゃあ私達は本当に」
もう今にも卒倒しそうだ。そうして出て来たのは。
二人だった。あのアルバニア人二人だ。そうして彼等はここで話すのだった。
「お嬢様、アルバニアよ
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