第120話 洛陽でのある一日
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せんでした。
揚羽の態度が凄く気になっています。
いつもの揚羽なら「どうでしたか?」と聞いてきそうな気がするのですが何もありません。
「揚羽、協皇子の件について何も聞かないのだな」
「正宗様のご様子を見る限り首尾は上々でないかと思いました。協皇子が正宗様とお二人で話を望まれたのであれば、正宗様にのみ打ち明けたい話だったのだと思います。それを根掘り葉掘り聞くのは無粋でございませんか? 冥琳殿もそう思われるでしょ?」
揚羽は私を意味深な笑みを浮かべました。
冥琳は揚羽に突然話を振られ、一瞬困惑した表情をしました。
「そうですね・・・・・・。妻とはいえ口にすべきことではないと思います」
冥琳も真面目な表情で応えました。
協との会話の内容は二人に聞かれて困る内容でありませんが、協が私と本音で語り会いたいと思って私を呼び寄せたのであれば第三者に話すべきでないでしょう。
揚羽に協の件で確認したいことがありました。
「揚羽、お前は協皇子をどうしようと思っている」
「正宗様はどうお考えなのでしょう」
揚羽は私を真剣な表情で見つめました。
「質問に質問で返すな。まあいい。私は協皇子をお護りするつもりだ」
揚羽と冥琳の表情が微かに剣呑になりましたが、彼女達は黙っていました。
「お護りするとは漢臣としてお支えするという意味ではない。後漢の歴史に幕を下ろし、新たな世を私が造るつもりだ。協皇子にも私が造る世の住人になっていただく」
「住人ですか・・・・・・」
「正宗様、そのお考えが上手くいくかは協皇子次第かと思います」
揚羽と冥琳は私の言葉に安堵していましたが、揚羽は言葉少なく微妙な表情をし、冥琳は自分の考えを私に言いました。
「二人は私の考えに不服か?」
「いいえ、不服はありません。状況的に協皇子を抹殺するには難しい条件を満たす必要があります。しかし、その条件を満たすことは困難と言わざるを得ません。目下の課題は幽州の火種を消すことですが早々に火消しはできないでしょう」
「私も不服はありません。ただ協皇子次第です。協皇子に禅譲を迫るのは慎重に慎重を期す必要があります。一つ間違えば逆賊として大陸全土の諸候を敵に回すことになります」
「揚羽、難しい条件とは何か聞かせてくれるか?」
「協皇子を抹殺する道を選ぶのであれば、我らは協皇子が皇帝に即位すると同時に反旗を翻す必要がありますが、我らの現状の勢力で大陸の全諸候を相手にするだけの力はございません。だから、不可能と言いました」
「では私の選ぶ道はどうするべきと考える」
「まずは朝廷の権威を失墜させる必要があります。そのためには反董卓連合を起こし洛陽に諸候の軍を雪崩込ませる必要があります。皇帝のお
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