第一章 七話 師弟
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い。ギリアスが帝国の皇太子となるのは確実になるだろうが、帝国の侵攻が進んだ場合こちら側が不利になるかもしれない。
たとえ師とはいえ、戦争の中で手加減をする理由にはならない。
主人公であるユーリを倒してしまう可能性もある。
だが、メリットもある。
将来必ず戦わねばならない帝国などよりよほどヤバイ【奴等】との戦いで心強い戦力になってくれることだ。
少なくとも奴等を潰さないとこちらの命は確実に無いのだ。
ここまで考えて、白野は結論を下した。
「いいだろう。お前に戦いを教えてやる。」
帝国のトップは人間である。話し合いや妥協の余地は極めて少ないがある。だが、奴等のトップはそもそも話が通じるような存在では無い。こちらよりも遥かに高い次元からこの世界を好きに操っているのだ。考えてみればほとんど世界そのものに反逆するようなものである。
とにかく持ちうる好きに全ての戦力を集中してやっとこさなんとかなるかならないかの瀬戸際になるのだ。
少しでも確実性を上げる。
それが白野の出した結論だ。
「ほ、本当か!?すまない。」
ギリアスが画面の向こうで歓喜している。
「俺の名前はギリアス。これからよろしく、白野艦長。」
こうして、宇宙帝国の皇太子候補とランカーという奇妙なコンビによる師弟関係が成立した。
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カシュケント 酒場
白野は入港手続きをゲイケットに押し付けてギリアスと酒場に来ていた。
「ギリアス、だったな。これからお前はどうする?俺たちはマゼラニックストリームを越えようとしていたんだ。お前も来るか?こちらと行動すれば多少は安全なはずだが。」
「ああ、俺もそうしようと思ってた。多分今の俺じゃあそこの単独突破はできない。」
ギリアスは熱血タイプであるが、こういう風に冷静な判断もできる。この事からも彼の高い素質が伺える。
マゼラニックストリームから小マゼラン、ネージリンスジャンクションまでの道すがらには超白色矮星ヴァナージという馬鹿でかい上にクソ暑いガスの塊が浮かんでいる。
艦の冷却機能を軽く上回ってくる上に、そこらの艦では装甲が熱で溶け出すくらい熱いのである。
おまけとばかりにヴァナージの熱圏の付近には熱で弱ったところにトドメを刺すべくマゼラニックストリームのハイエナが待ち構えている。
熟練の0Gドッグでもかなりの無理ゲーである。
今現在、ユニコーンの整備士のバークが空間通商管理局の資材庫から専用の放熱板を引っ張り出して修復中のバウンゼィとユニコーンに搭載作業をしている事だろう。
「ギリアス、俺たちと来るなら一つ教えておいてやる。」
「………
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