第零章 【Origin】
三話
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でも伝えておきましょうか」
そう呟きながら、あの女王が知らない訳が無いと思う
実力を隠す様な相手だ、敢えて放っておいているのか
口元が歪むのが抑えられない
天剣が無い以上、彼の本気を見られないのは残念だが、代わりにやり合うことは出来るのだ
天剣に成ってしまえば女王の管轄下に入り互いに好き勝手に争うことなど出来ない
しかし、彼は違うのだ
莫大な剄量に卓越した技術を持つものと限度はあれどやり合える
弱い相手と戦うのはつまらない。ただただ強者との戦いを求める自分としてはそれが知れただけで来たかいはあった
(まあ、後で色々言われないように、やはり女王には伝えておきますか)
レイフォンの方を見れば、既に二体を倒し残りは三体。このままならすぐにでも終わるだろう
その姿を見、これからの事を思いやはり口元が歪んでしまう
既に連絡を受け、他の場所を問題が無いことは分かっている
もはや見届ける必要もなくなった戦場に踵を返し、サヴァリスは今後の事を思い、上機嫌で都市へと戻っていった
最後の一体を倒した所で息を吐き、レイフォンは体から力を抜いていく
今まで流石に四期五期を複数相手に援護無しの単身で挑んだことは無く、思ったよりも楽に終わったが精神的な疲労が溜まってしまった
剄の余波が飛んだのか、幼性体も数えるほどしか残っていない
体を巡る剄を次第に落ち着かせながら残った相手を片付ける
後ろを見ればもうあの莫大な剄を感じることは無く、姿が無いことから途中で帰ったのだろうと推測する
(いきなり後ろから撃つのは死ぬかと思った。けれど特に何もせずに帰ってくれて良かったな)
本来ならどうかと思うところだが、噂や実際に会ってみて、係わり合いになりたく無かったので特になにも無かっただけで良かったとレイフォンは思う
(今日の夕ご飯、リーリン何作ってくれるかなあ)
片付けも終わり、既に今日の夕ご飯のことを考えながら都市へとレイフォンは戻って行く
今までと何も変わらない日が続くと思っていた
しかし、次の日、レイフォンは気付く。それは間違いだと
天剣授受者、サヴァリス・クオルラフィン・ルッケンスの来訪によってレイフォンの日常は波瀾万丈に満ちたモノへと変わる
今はまだ、そのことを誰も知らない
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